泡盛再興へ若者に発信 県酒造組合、統一ロゴ作成へ

 県酒造組合(佐久本学会長)は21日、那覇市の沖縄産業支援センターで、売り上げが低迷する琉球泡盛の再興に向けた業界ブランディング事業の全体発表会を開いた。オンラインも含め、泡盛メーカー各社が参加。歴史が育んだ文化や魅力を表現したロゴマークとスローガンを作成し、3月に発表することを確認した。今後各種イベントでアピールし、若年層や女性といった“泡盛離れ”の層にも合った飲み方などを提案する。

 泡盛の出荷量(アルコール度数30度換算)は過去最高となった2004年以降、16年連続で減少。20年は1万3817キロリットルと、04年のほぼ半分にまで落ち込んだ。こうした状況を踏まえ、付加価値を高めようと事業を開始した。組合加盟46社を対象に、21年7月から議論を交わし泡盛の魅力を掘り下げ、統一したブランド像を形づくろうとしている。企業のブランディングを手掛けるパラドックス(東京)が業務を受託し、事業を支援している。

 グループディスカッション参加者からは、ロゴマークを使った物品販売の提案や、ブランディングの理念を地域や従業員に理解してもらう必要性を訴える声などがあった。県外への販路拡大に目が行ったことで「県内をおろそかにしたことを反省しないといけない」との意見も出た。

 佐久本会長は、今年日本復帰50周年を迎え、NHKの連続テレビ小説「ちむどんどん」の放送などがあると指摘し「沖縄が注目されている。みなさんと一緒にしっかり泡盛を盛り上げていきたい」と意気込んだ。(小波津智也、写真も)

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