深津絵里が「カムカムエヴリバディ」2代目ヒロインに毎日ドキドキ。「とんでもないものを引き受けてしまった」

NHK総合ほかで放送中の連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」(月~土曜午前8:00ほか)で、2代目ヒロイン・雉真るい役を熱演中の深津絵里が、作品への思いを語った。

上白石萌音、深津、川栄李奈が主演を務める同作は、“朝ドラ”史上初となる3人のヒロインが登場し、昭和・平成・令和の時代に、ラジオ英語講座とともに歩んだ祖母、母、娘の3世代親子を描くファミリーストーリー。現在は、深津演じるるいの大阪編がオンエア中。岡山を出て、大阪で暮らし始めたるいは、個性豊かな温かい人々と出会いながら成長していく。

安子(上白石)の娘として雉真家に生まれ、18歳まで岡山で育ったるい。ある理由から自分らしく自由に生きていきたいと願い、岡山を飛び出し、大阪へ。ひょんなことからクリーニング店を営む夫妻と出会い、住み込みで働きながら新しい生活を始める。るいは、テキパキと仕事をこなす働き者で、すぐに店の看板娘となる。一度こうと決めたら曲げない性格は母譲りだ。

深津は、本作への出演を決めた理由について「『3人のヒロインで100年の物語をつくりたい』というチーフプロデューサー・堀之内(礼二郎)さんの強い気持ちと、藤本有紀さんの脚本にすごいものを作ろうとする迫力を感じたので、『私に何かできることがあれば』と思い、お引き受けしました」と率直に心境を明かす。

しかし、「でも、なんでもっと冷静に考えなかったんだろう(笑)。あらためて藤本さんの描くキャラクターやストーリーに『とんでもないものを引き受けてしまった』と今さらドキドキする毎日です。でも、岡山編の皆さんが、あの波乱に満ちた大変な物語を、心を込めて演じられている姿を見ていたら、ここで私が『どうしよう』なんて言っている場合じゃない。きちんとひなた(川栄)にバトンを届けなければいけないと、全力で撮影に臨んでいます」と覚悟を決めて撮影に励んだそう。

役作りに関しては「岡山編にもう、るいのすべてがありました。私は余計なことをせずに、ただ存在していられたらと思っています」と語り、「るいは、見ている方々が同じ気持ちで寄り添ったり、自分と重ね合わせるのがすごく難しいキャラクターなので、そこは繊細に考えなければいけないですよね。それに、喜怒哀楽を上手に表せないので、彼女の感情の揺れを、どれくらい表現するべきなのかも気を付けています。るいの生い立ちや育ってきた環境を考えると、年齢よりも大人びた面がある一方、どこか抜け落ちた子どもっぽい面もあるのかなと思いました。そんなるいの、でこぼこした感じがうまく出せたらいいなと」とキャラクターを分析して、演技に反映している。

印象的なシーンを尋ねると「『竹村クリーニング店』の平助さんと和子さんご夫婦と会って、初めてお茶の間でおせんべいをいただくシーン。すごく緊張しました。というのも、それがるい編の初日に撮ったシーンだったんです。岡山にいた十何年間で、きっとるいの心はとっても固く閉ざされていて。本当の気持ちをなかなか表さなかった女の子が、全く見ず知らずのお宅にあがって、温かさに触れ、心を開放する。私の感情がうまくコントロールできなくて、何テークもやらせていただいたんです。それを、(竹村夫妻を演じる)村田(雄浩)さんと(濱田)マリさんのお二人が見守ってくださいました。言葉ではなく、私たちはここにいるから大丈夫だよっていう空気をつくってくださって。お二人にご迷惑をかけたと思うんですけれど、そのつまずきみたいなものがあったからこそ、一気にお二人との関係をつくれたような、みんなで手を取り合えた気がしてとっても大事なシーンだったなと思います」と竹村夫妻とのシーンを挙げた。

そして、視聴者に向け、「安子編からずっとこの作品を見守ってくださっている視聴者の方々に、ひなたの最後までを見守っていただけることが私の願いです。今放送中のるいの時代のエピソードが、ひなたの時代に紡がれていきます。次はひなたの気持ちに寄り添って、毎朝この物語を楽しんで見ていただけたらうれしいです」とメッセージを寄せている。

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