栃木県がまん延防止適用を要請 飲食店時短、部活動も中止に

まん延防止等重点措置の要請について説明する福田知事=21日夕、県庁

 新型コロナウイルスの感染急拡大を受け、栃木県は21日、「まん延防止等重点措置」の適用を政府に要請した。適用されれば、県内全域を対象地域として飲食店に営業時間の短縮や酒類の提供自粛を求める方針。福田富一(ふくだとみかず)知事は記者会見で「医療提供体制が危機的状況に至ることを未然に防止するため要請した。ここで感染爆発を食い止めたい」と述べた。

 福田知事が、要請文書を岸田文雄(きしだふみお)首相宛てに送付した。同日の県対策本部会議では、県立学校で22日から大会などを除き部活動を原則中止とすることなども決めた。

 重点措置が適用された場合、飲食店は県の感染防止対策認証制度「とちまる安心認証」を取得した店で(1)酒類提供なしの午後8時閉店(2)午後8時までの酒類提供と午後9時閉店-のどちらかを選択できる。非認証店は酒類の提供を認めず、午後8時閉店を要請する。応じた飲食店には協力金を支給する。

 「第2弾県民一家族一旅行(隣県拡大版)」は既存予約分の割引などを停止し、「Go To イートキャンペーン」食事券の新規販売も停止する。

 県教委によると、県内公立学校では3学期以降、延べ118校が休校や学級・学年閉鎖となっている。県立学校では感染状況に応じて時差登校や短縮授業、分散登校などを実施する。市町教委にも同様の対応を求める。

 県は18日の対策本部会議で、重点措置を国に要請する目安を病床使用率35%以上、中等症者20人以上と設定していた。21日時点では32.4%、14人で基準に達していないが、18日以降の新規感染者が3日連続で過去最多を更新したことや隣接県の状況などを踏まえ、当初の予定を前倒して要請することを決めた。新規感染者数の過去最多は20日の443人で、21日は350人確認された。

まん延防止等重点措置における新たな要請(想定)

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