ノスタルジックな風景に出会う。天浜線周遊の旅

※この記事は、静岡・浜松の観光サイト「Meet Japan Through Hamamatsu,」より許諾を得て転載したものです。

浜松駅周辺でグルメや観光を満喫したら、少し足を伸ばして日本の原風景の中を走るローカル線・天浜線の列車旅はいかがでしょうか。

天浜線とは?その魅力

通称「天浜線」と呼ばれる「天竜浜名湖鉄道」は、東は静岡県掛川市の掛川駅、西は湖西市の新所原(しんじょはら)駅を結び、浜松市の天竜二俣エリアや浜名湖の北側を通る全長67.7kmの鉄道です。

浜松駅周辺からアクセスする場合は、新浜松駅から遠州鉄道で西鹿島駅へ行くのがよいでしょう。同駅で天浜線に乗り換えができます。

ノスタルジックな風景が魅力。天浜線と周辺のオススメスポット

車窓から浜名湖の水景、夏は新緑、秋は黄金色に染まる田園風景などが望める天浜線。

昔ながらの街並みや鉄道遺産が見られる天竜二俣エリア、果物の収穫体験ができるフルーツパーク、個性的なカフェや寺院などさまざまな観光スポットも楽しめます。

今回は天浜線の駅とその周辺で出合えるスポットの魅力を紹介します。

鉄道遺産や古い街並みを楽しめる天竜二俣駅

天浜線は、前身である二俣線の時代、1940年に全線開通して実に80年以上が経ちます。その頃のままの遺産も多く、駅のプラットホーム、駅舎などをはじめ、全線であわせて36の国の登録有形文化財が存在します。

天竜浜名湖鉄道の本社がある天竜二俣駅も貴重な鉄道遺産をもつ駅の一つ。駅から徒歩圏内にさまざまな観光スポットや飲食店も多く、休日には多くの人で賑わう駅でもあります。

駅のホームをはじめとした貴重な鉄道遺産を見学

駅に着くやいなや、趣ある駅舎やプラットホーム思わず見惚れてしまいます。どちらも1940年の全線開通時に建設されたままの貴重なものです。

天竜二俣駅ではまた、蒸気機関車の頃から列車の向きを変えるために使用していた転車台があり、ツアーで見学が可能。1940年に作られた古いものながら、車両基地のある天竜二俣駅で現役で稼働しており、こちらも国の登録有形文化財です。

見学ツアーは毎日開催されており、同じ敷地にある車庫や鉄道歴史館なども同時に楽しめます。子どもから大人にまで人気です。転車台がある車両基地へはツアー以外で入場できないので見学したい方はぜひツアーに参加してみてください。

転車台見学ツアー
毎週 土・日・祝は10:50〜と13:50〜の1日2回
毎週 月・火・水・木・金は13:50〜の1日1回
予約不要。参加希望者は天竜二俣駅待合室に集合

※乗車体験のできる「洗って!回って!列車でGO!」ツアーは土・日・祝に11:00から要予約

古民家ギャラリー「マルカワの蔵 叉水」

天竜二俣エリアは駅から少し足を伸ばすと、蔵やレトロな店舗など、ところどころに古い建物が点在しています。

今回立ち寄ったのは、古民家ギャラリー「マルカワの蔵 叉水(さすい)」。趣たっぷりの建物は築年数140年以上。酒店を改装した建物です。

1Fの店頭では、日本の昔ながらのなつかしいお菓子や地元の店の手作り菓子、みそ、お茶などがずらりと並んでいます。

建物の1F奥や2F、3Fでは、天竜二俣エリアにゆかりのある作家さんの作品を中心に、さまざまな作品や雑貨類を展示販売。

月替わりで特定のテーマを掲げたギャラリーやイベントも開催されています。

屋内の見学も可能で、壁などの内装やアンティークの家具などは昔のまま残されていて雰囲気たっぷり。外国の方も多く訪れるそうなので、ぜひ気軽に見学してみてください。

偉人のものづくり精神にふれる「本田宗一郎ものづくり伝承館」

今や世界で知られる自動車メーカー「Honda」の創業者・本田宗一郎(ほんだそういちろう)氏の「ものづくり精神」にふれられるスポットがあります。

それは「本田宗一郎ものづくり伝承館」。本田氏は、浜松市天竜地区の生まれです。

東京の自動車修理工場で働いたのちに独立し、補助エンジン付きの自転車の製造販売を開始。これが大成功し、「Honda」としての歩みがはじまります。

館内には、本田宗一郎の軌跡についてのパネルや「Honda」製品の歴史がわかる歴代のバイクなどが展示されています。本田氏やバイクがモチーフのオリジナリティあふれる雑貨も販売されており、おみやげにぴったりです。

天竜二俣エリアの歴史スポット「二俣城跡」「清瀧寺」

「二俣城跡」は、日本で江戸幕府を開いた将軍徳川家康(とくがわいえやす)の嫡男、徳川信康(とくがわのぶやす)が謀反の疑いをかけられたために、若くして自害をすることとなり非業の最後を遂げた場所。

二俣城跡から徒歩数分の場所には信康の墓がある寺院「清瀧寺(せいりゅうじ)」があります。

家康が信康を弔うために建てたと伝えられています。

北欧インテリアが素敵な「miyakoda駅Cafe」でコーヒータイム(都田駅)

天浜線には個性的な飲食店が併設されている駅が多くあります。

都田駅の「miyakoda駅Cafe」は、温かみある木材の内装に、フィンランド発のテキスタイルブランド「マリメッコ」のファブリックで彩られた素敵な空間です。コーヒーと手作りクッキーもマリメッコの食器で提供されます。

テーブル席の他には仕切りがない状態でホームと隣接しているテラス席も。また、駅待合室内にもカラフルなファブリックとシャンデリアのインテリアが施されています。駅にいるのか、カフェにいるのか……駅とカフェが一体化したような、とても不思議な空間です。

こんな場所で駅周辺のなごやかな景色や列車を眺めながらのコーヒータイムは、思わず時間を忘れてくつろいでしまいます。

都田駅周辺では「miyakoda駅Cafe」をプロデュースしている「ドロフィーズ都田建設」により“フィンランドビレッジ”が展開されています。「マリメッコ」のギャラリーや体に優しいナチュラルなフードが楽しめるカフェ、ホテルなど、北欧の雰囲気を味わえるスポットが点在。気になる人はぜひ散策してみてください。

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ゆりかもめの大群に出会える浜名湖佐久米駅

小さな無人駅である浜名湖佐久米駅。12~2月頃になるとゆりかもめが飛来することで知られている駅です。ホーム目の前の浜名湖をバックに飛ぶゆりかもめの大群は圧巻!

近くで見るととてもかわいいですよ。

その他の天浜線沿線のおすすめスポット

ほかにも天浜線沿線には魅力的なスポットがたくさんあります。

静岡の温暖な気候で育つ旬の味覚を堪能できるフルーツパーク

フルーツパーク駅から徒歩約8分の「はままつ フルーツパーク時之栖(ときのすみか)」は、広大な敷地をもつ果樹園。自然豊かで温暖な浜松の気候を活かし、いちごやさくらんぼ、もも、ぶどうなど年間約15種類の果物が収穫できます。

収穫したフルーツは採った分だけ量り売り。1個から摘み取りできるので、季節によっては複数のフルーツを少しずつ楽しめるのが魅力です。

園内にはワイナリーや、和洋中20〜30種類の料理と5〜10種類のデザート、フルーツが楽しめるバイキングもあります。フルーツやワイン、オリジナルスイーツなどを販売するショップもあるのでおみやげも購入できます。

桜や紅葉など四季折々の景色が魅力の「龍潭寺」

気賀駅からタクシーで5分の場所にある「龍潭寺(りょうたんじ)」。733年開山した古刹で、日本で有名な戦国大名家・井伊家の菩提寺です。

総門や本堂など江戸時代に建立された伽藍や壮大な日本庭園が見どころ。名勝庭園では、春は新緑、サツキに始まり、夏はスイレン秋は紅葉と四季折々の彩りを楽しめます。

小さな半島を散歩「プリンス岬」

西気賀駅を降りてすぐの場所にある五味半島は、徒歩15分ほどで1周できる小さな岬。天皇陛下(当時の皇太子ご一家)が半島にある保養所で静養されたことからプリンス岬と呼ばれています。のどかな風景が広がり、天気の良い日は散歩するのにぴったりのスポットです。

ノスタルジックな駅舎や鉄道遺産、歴史スポット、フルーツ狩りなどさまざまな楽しみがつまった天浜線。ぜひ他では味わえない列車旅を満喫してください。

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