空を飛ぶ“夢の乗り物”をVRで疑似体験…2025年の実用化を目指して

TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月~金曜7:00~)。「フラトピ!」のコーナーでは、空を飛ぶ“夢の乗り物”についてキャスターの田中陽南が取材しました。

◆2025年の実用化を目指し空飛ぶクルマが開発中

今回、田中が向かったのは、虎ノ門ヒルズ ビジネスタワーにある未来型テーマパーク「FLEX Park Tokyo」。

そこには、プロペラがついているもののハンドルやシートも備わっていて、一見すると車のような乗り物が。それはなんと2020年8月に日本初の有人飛行のデモフライトに成功し、2025年に実用化を目指している"空飛ぶクルマ”をVRで擬似体験できる乗り物。

この空飛ぶクルマの開発をしているメンバーの1人がFLEX Park Tokyoを運営する有志団体「Dream On」の共同代表・中村翼さん。彼はトヨタ自動車出身で、現在は慶應大学の特任助教もつとめています。

早速、田中が空飛ぶクルマに試乗してみると「座り心地は完全に車」と言いつつ、ディスプレイを装着しVRをスタートすると「うわぁ、風が。飛んだ~!」とビックリ。

端から見るとわかりませんが、田中の目の前には東京を見下ろし、空を飛んでいる光景が。

車体が動くと同時に吹き出し口から風を送り込むことで、目線だけでなく本当に飛んでいるかのような感覚を体感することが可能に。さらにはVR映像もとてもリアルで、田中は「都会の景色をこんな角度で見られるのは初めて」とただただ驚くばかり。

◆夢の乗り物、空飛ぶクルマを実現するためには…

近い未来、"空飛ぶクルマ”はバーチャルではなく実際に見られるようにするべく、プロジェクトが進行。日本初の有人でのデモフライトに成功しています。

これまでの経緯について、中村さんは「いろいろなエンジニアが"自分たちが好きなことをやろう”、"次世代の人たちに夢を提供したい”という思いから2012年ぐらいから業務外で活動しているが、100個ぐらいアイデアを出し、一番夢があったのが"空飛ぶクルマ”で、2014年から開発を始めた」と振り返ります。

さらには「最初はどうしたらできるのかも全然わからず、ドローンを大きくすればできるんじゃないか、いろいろ計算して成り立ちそうだと。小さいプロトタイプから段々と大きくして作っていったという感じ」とも。

現在は18社にも及ぶスポンサーからの支援を受けながら実用化に向けプロジェクトが進行中。「2018年ぐらいから政府も含めてロードマップを描いており、2025年の大阪万博を最初のターゲットにしつつ、2030年代の普及を目指し、今、政府と民間で一体になって進めている」と中村さん。

しかし、実用化にはさまざまな課題があり、その1つが"法整備”。飛んだ瞬間に航空法に関係し、誰もが気軽に飛ぶとなると、いかにぶつからないようにするなど、さまざまな問題が生じます。また、電気でプロペラを回して飛ぶため、パッテリーの容量など技術的な部分での問題も。

さらには、「人々の理解というところが大きい。飛んでいる人はいいが、下に住んでいる人からするといつ落ちてくるのかわからないし、音がどうなのかも気になると思う。そうしたところを、みなさんとのコミュニケーションのなかで理解してもらい、実際に見て理解してもらうことが必要。そういった社会受容性と呼ばれるところがキーで、それゆえにこうしたVR体験で少しずつ理解していただこうと考えている」と問題解決への道筋を語っていました。

ちなみに、東京駅からお台場まで陸路で行くとなると、約30分。しかし、空飛ぶクルマだと5分。それほど空飛ぶクルマは画期的な乗り物ですが、キャスターの堀潤は「災害現場などでは、こういう乗り物があると役に立つだろうなと思って見ていた。あとは離島間の移動なども」とさまざまな使い道を示唆。

岸壁幼魚採集家の鈴木香里武さんは「実用性、意義というのも大事だが、夢というキーワードで進んでいるところが素敵だと思った」と感心します。そして、「(空飛ぶクルマは人々の理解への)クッションとして、今VRをやっている。これは1つ理解への入り口になる。コロナを経た人々の心にもVRで旅行ができるというのはすんなり入ると思うので、それを踏まえた上での実用化というステップはすごく良いと思った」と来たるメタバース時代への布石を高く評価。

一方、インスタメディア「NO YOUTH NO JAPAN」代表の能條桃子さんは堀と同じく山間地帯での利便性に言及し、「道路の老朽化の問題もあり、当然それは直していかなければならないが、いろいろな選択肢で見えてくるものが大きいなとワクワクした」と期待感を口にします。

なお、空飛ぶクルマのVR体験は、現在、虎ノ門ヒルズ ビジネスタワー「FLEX Park Tokyo」で可能。2022年3月まで、インターネットで事前予約をすれば誰でも無料で体験でき、「FLEX Park Tokyo」ではその他にも「空飛ぶホウキ」や空飛ぶクルマで「宇宙旅行」などの擬似体験ができます。

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<番組概要>
番組名:堀潤モーニングFLAG
放送日時:毎週月~金曜 7:00~8:00 「エムキャス」でも同時配信
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/morning_flag/
番組Twitter:@morning_flag

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