商店街にストリートアート 「島原に来た人に楽しんでほしい」 にぎわい創出にも期待

外壁に描かれたストリートアートを紹介する婦人服店「たまや」の隈部店長=島原市中堀町

 島原のアーケード街を訪れるきっかけに-。楽しみながら買い物や散策をしてもらおうと、地元有志らの働き掛けで洋服店や時計店の外壁などにストリートアートが続々と登場。観光名所「鯉(こい)の泳ぐまち」にちなんだコイのほか、店名や業種に由来する絵などが描かれ、通行人の目を楽しませている。作品は今後も増える予定で、商店街のにぎわい創出に一役買いそうだ。
 店舗と人出が年々減り続ける中心市街地の活性化や観光振興などを図ろうと、長崎県島原市万町でコワーキングスペースを運営する長池泰昌さん(48)らが企画。知人で依頼を受けた同市蛭子町の現代アート作家、上田友さん(47)が昨年12月に制作を始め、同月中に2作品を仕上げた。現在、5作品目に取り掛かっている。
 取り組みに賛同した同市中堀町の婦人服店「たまや」(隈部和幸店長)には、アクリル絵の具約10種類で描かれた“天使の洋服店”(縦約40センチ、横約70センチ)がお目見え。子ども服を取り扱っていたころの旧店名「エンゼルたまや」からのれん分けした設定で、かつてのロゴをあしらった紙袋など実際の備品も忠実に盛り込まれている。

「ふれあいホール サンプラザ万町」の池の縁に描かれたコイの作品=島原市万町

 絵は目の錯覚を利用して立体的に見えるトリックアートで、角度によっては飛び出して見える。
 湧水が流れる水路にコイが悠々と泳ぐ島原。その様子を絵にも再現しようと、同市万町の「ふれあいホール サンプラザ万町」では、コイが泳ぐ池の縁にコイの作品(縦横約40センチ)を描いた。店舗などの各作品内には、コイが隠されているといい、遊び心も満載だ。長池さんは「島原に来た人に楽しんでほしい。街歩きのきっかけになれば」と期待する。


© 株式会社長崎新聞社