観光バス会社倒産、過去最多。全てコロナ関連。インバウンド消失。国内旅行激減が直撃

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 2020年初め、新型コロナウイルス感染症流行の当初から旅客運輸業はインバウンド需要が蒸発するとともに、コロナ禍長期化の中、国内旅行の需要も激減し厳しい経営環境が続いている。特に密になる団体客を扱う観光バス業では倒産が激増し、過去最高となっているようだ。日本政府観光局のデータではコロナ禍初年20年の訪日外国人は前年と比べ87.1%減少し、翌年21年も11月までで前年同期比94.2%減とインバウンド需要は蒸発状態で、さらに個人客や修学旅行などの団体旅行も自粛や移動制限で縮小し、小規模の貸切バス会社を中心に激変した環境に対応できず業績回復が見込めない状況のようだ。

 1月7日、東京商工リサーチが2021年における「貸切バス業の倒産」状況についてレポートを公表している。これによれば、21年における負債額1000万円以上の「貸切バス業」の倒産は14件、前年と比べると27.2%の増加であった。92年以降の30年間では震災後の13年の12件を上回り、過去最多を記録した。また、倒産14件すべてが「コロナ関連倒産」で、コロナ流行によるインバウンド需要の消失とコロナ禍長期化による国内旅行の激減が貸切バス業界を直撃していることを示している。

 原因別では、「販売不振」の12件が最多、前年と比べ100.0%増と倍増し、構成比は85.7%で前年の54.5%から31.2ポイントの急増となった。主な倒産ケースを見ると、あじさい観光(大阪府)は、インバウンド需要消失に加え旅行自粛で業績が悪化、資産処分や助成金を利用したが資金繰りが限界に達した。中部観光サービス(沖縄県)は観光客を対象に展開していたが利用客が激減、事業継続を断念した。蔵商(埼玉県)は学校・自治体向け営業を展開していたがコロナ禍で受注が激減、介護タクシー運営に転換を図ったが受注は回復せず事業継続困難となった。形態別では「破産」が13件で最も多く、構成比は92.8%とほとんどを占め再建型の「会社更生法」はゼロだ。

 資本金別では、「1000万円以上5000万円未満」の6件が最多、構成比は42.8%、次いで「1百万円以上5百万円未満」が4件、構成比28.5%、「5百万円以上1千万円未満」が3件、構成比21.4%と小規模がほとんどだ。従業員数別では、最多が「5人未満」の5件、「5人以上10人未満」が3件で、10人未満で倒産全体に占める構成比は57.1%と約6割が小規模企業だった。(編集担当:久保田雄城)

東京商工リサーチが2021年貸切バス業の倒産調査」。30年間で最多の14件、すべてコロナ関連倒産。長引くコロナ禍でインバウンド需要が消失し、国内旅行の激減が貸切バス業界を直撃した。