トンガへの支援で日本ができることは…トンガと日本の意外な関係も

TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月~金曜7:00~)。1月21日(金)放送の「FLAG NEWS」のコーナーでは、本格化した「トンガへの支援」について取り上げました。

◆本格化するトンガへの支援、日本がやるべきことは?

1月15日に大規模な噴火と津波が発生したトンガでは、木々が薙ぎ倒され、道路には大量の火山灰が積もり、ビーチの建物はほとんどが破壊されています。そんなトンガに20日、ニュージーランドやオーストラリアから支援物資を積んだ輸送機や軍艦が到着しました。新型コロナウイルス感染防止対策のため、物資の引き渡しは1時間半程度にとどめ接触しない方法で実施。

また、日本からも支援物資を詰め込んだ航空自衛隊の輸送機2機が出発。現地の調整所を置くオーストラリアに向かっています。

トンガへの救援物資については、アフリカの紛争問題を研究する東大院生の阿部将貴さんも注目。「日本は現地で不足している飲料水や火山灰を洗い流す高圧洗浄機など送っているということだが、それらに加えて提案したいのが衛星通信の開放」と主張します。

というのも、今回トンガからの情報はなかなか入ってきませんでしたが、その理由のひとつが海底ケーブルの断絶。現地ではインターネットや電話の使用が困難な状況になったことから、阿部さんは「日本は東日本大震災以降、衛星通信の技術や研究にお金をかけ、独自の衛星なども持っているので、そうしたものをトンガの人が使えるようにするのが大事」と訴えます。

キャスターの堀潤も「確かに」と納得しつつ、「情報が共有されない、発信が滞ってしまうと支援も鈍る」と危惧。また、コロナの影響で諸外国からの支援団体が入国しにくいという課題もあると示唆。

さらに阿部さんは「開発協力の世界では、南洋諸島への支援は難しい。お金を出してもリターンが少ないので世界からのお金が集まりにくいという問題がある」と指摘。そのため、「日本が旗振り役になり、お金を集めたり、新しい技術を支援することが必要」と日本の奮起を期待します。

◆トンガへの支援が将来日本の災害時に活かされる!?

日本とトンガは食料面でも関係があるそうで、そこに言及したのは食文化研究家で株式会社食の会 代表取締役の長内あや愛さん。トンガの主要農業作物・主要貿易品目がかぼちゃで、日本でもよく食べられているそうで、噴火の報道直後にはSNSで「トンガ産のかぼちゃを見つけたら買いましょう」ということが拡散されました。

トンガのかぼちゃは、そのほとんどを日本が輸入しているそうで、それももともとは日本から渡ったものだとか。「1987年に日本のかぼちゃの種をトンガに持っていき、トンガでかぼちゃが作られた」と長内さん。日本とトンガにはそうした関わりがありますが、長内さんは今後のトンガの農業について憂慮。「火山灰がたくさん降り積もると作物ができなくなったりする。そのときに我々は何ができるのかを考えていかなくてはいけない」とトンガのこれからを案じます。

堀によると、過去に阿蘇山が噴火した際、農地が降灰で痛みましたが、地域の農業従事者は極めて冷静だったとか。その理由は過去の経験があったからで、それだけに「知見が蓄積されている火山国、先進国日本の支援のあり方はある」と言います。さらには、「日本で将来、富士山が噴火したときの首都圏の降灰状況などを考えると、それこそ相互に共有できるものが必ずある」とも。

阿部さんも堀の意見に同意し「先ほどリターンが少ないと言ったが、日本にとっては必ずしもそうではない」と明言。「例えば、今回トンガで行ったことが今後、日本の災害時に活かすことができる。お互いを高め合える関係を築いていってほしい」と望みます。キャスターの田中陽南も「未来に繋がるような支援ができれば」と話していました。

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<番組概要>
番組名:堀潤モーニングFLAG
放送日時:毎週月~金曜 7:00~8:00 「エムキャス」でも同時配信
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/morning_flag/
番組Twitter:@morning_flag

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