最下位脱出目指すDeNA三浦監督が問われる“真価” 開幕から助っ人揃い準備万端

DeNA・三浦大輔監督【写真:中戸川知世】

新外国人2人を除く助っ人7人の来日が完了

DeNAは三浦大輔監督就任1年目の昨年、コロナ禍で全外国人選手が不在のまま開幕を迎えた。開幕6連敗、4月にも10連敗を喫し、最下位に終わる要因となった。同じ轍を踏むわけにいかない今年は、ネフタリ・ソト内野手、タイラー・オースティン外野手らがそろって異例の早期来日。新入団のブルックス・クリスキー投手、ハンセル・マルセリーノ投手(育成)を除く助っ人7人(育成2人を含む)全員が既に来日している。ハマの番長が存分に腕を振るえる環境が整った。

「今年は早めに来られて、キャンプ初日からチームに合流できることがうれしいね」。ソトは24日にオンラインで報道陣の取材に応じ、こう述懐した。昨年はコロナ禍で外国人選手の入国がままならず、来日時期は選手によってまちまちだった。DeNAは全選手の来日が開幕に間に合わず、助っ人への依存度が高いチーム事情もあって開幕直後から最下位を低迷した。

ソト、オースティンの両主砲が代打出場2試合を経て、そろってスタメンに復帰したのはシーズン18試合目の4月15日・ヤクルト戦(神宮)。既に3勝12敗2分の“借金9”と大きく出遅れていた。さらに、セットアッパーのエドウィン・エスコバー投手の初登板は、23試合目の4月21日・中日戦(横浜)までずれ込んだ。「男は黙って投げるだけ」をキャッチフレーズに、前年まで3年連続50試合以上、特に2019年は74試合にも登板していたタフネス左腕の不在は、あまりにも痛かった。エスコバーの登板数は出遅れた昨年でさえ、結局チーム最多の61試合に上り、その存在感の大きさがわかる。

三原一晃球団代表は4月19日に「連敗の最大の原因は、外国人の来日が遅れて戦力が整っていないことにある。三浦監督に申し訳なく思っています」と“謝罪”した。チームの状態は助っ人の調子とともに徐々に上向き、5月下旬に始まったセ・パ交流戦では、2007年と並ぶ球団史上最高タイの3位に。9月に4位に浮上する局面もあったが、結局息切れして最下位に終わった。トータルで見ればやはり、開幕直後から黒星を積み重ねたことが響いた。

来日したDeNAのネフタリ・ソト(画像はスクリーンショット)

2年目のロメロには2桁勝利の期待も

対照的に今年はソト、エスコバー、2年目のフェルナンド・ロメロ投手が今月14日、オースティンも15日に来日。21日に3年目の契約を締結したばかりのマイケル・ピープルズ投手も、2日後の23日に来日した。以上5人は2月1日から、沖縄・宜野湾での1軍キャンプに参加する。ソトは「昨年は到着が遅れ、さらに東京五輪開催で1か月の休みもあって、難しいシーズンだった」と吐露し、今年は満を持して開幕を迎える構えだ。

2年目右腕のロメロには、大幅な上がり目が見込まれる。初年度の昨年は来日が遅れた上、5月8日の阪神戦(横浜)でのデビュー以降も日本野球への対応に手間取った。しかし、9月4日の中日戦(バンテリンドーム)で初勝利を挙げると4連勝。ツーシームで相手の内角を強気に突く投球が奏功し、トータルで14試合5勝3敗、防御率3.01の好成績をマークした。

「今思えば、昨年の前半はもう少しできたという反省点がある。後半は相手打者の特長がわかってきて、尻上がりによくなった。このオフは反省を生かし、コーナーに投げ分けられるようにコントロールを磨いてきた」とロメロ。開幕直後から先発ローテーションの一角として本領発揮が見込まれる今年は、2桁勝利を期待しても決して過大評価ではないだろう。3年目のピープルズも、昨年は18試合(うち7試合が先発)3勝4敗、防御率4.21だったが、先発もリリーフもこなせる使い勝手のよさがある。

打線は昨年もリーグ2位のチーム打率.258、559得点を誇った。リーグワーストのチーム防御率4.15だった投手陣も、今年は外国人に加え、昨年中に左肩のクリーニング手術から復帰した今永昇太投手、トミー・ジョン手術を経て復活した東克樹投手に、先発ローテ要員としてフル回転が見込まれている。

三浦監督は「ほぼベストメンバーで開幕できると思います」と、今から2か月先を見据えて笑顔が漏れる。今年こそ指揮官としての真価が問われるとも言える。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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