性別問わず制服選択制導入・西諫早中 防寒やLGBTQに配慮 2023年度から

 長崎県諫早市立西諫早中(坂口雄二校長、馬渡町)は2023年度の新入生から、性別に関係なく制服のスカート、スラックスを生徒の希望で選択できる制度を導入する。スカートについては「冬は寒い」「自転車通学の際に風でめくれて危険」などといった声が以前から上がっており、防寒や防犯対策、LGBTQ(性的少数者)に配慮する形で見直す。
 市教委によると、昨年3月、市内全市立中の校長でつくる市校長会中学校部会が制服検討委を設置。制服を見直していくまでの手続き、ノウハウを各校が共有していくためのモデル校に西諫早中を選んだ。同校は教職員や生徒、保護者らをメンバーにした専門委員会を校内に立ち上げ、これまでに業者を選定。新しい制服のデザインもほぼ決まり、今後は制服選択制に伴う広報活動などを進めていく。
 同校生徒の約3分の1は自転車通学。坂口校長は選択制の導入について「生徒たちが安全、安心に登下校でき、性別に関係なく多様性が尊重される制服を用意したい。個人が個人として尊重され、他人を思いやることができる子どもが育ってくれればと思う」としている。
 市内の市立中ではモデル校以外でも複数の学校が同様の検討を進めており、市教委は「制服選択制の導入はそれぞれの学校の判断になるが、市教委としても性的少数者に配慮した対応を進めていきたい」としている。


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