選手会の部分的な譲歩で労使交渉が一歩前進か 明日も引き続き交渉へ

「ESPN」のジェフ・パッサン記者や「ジ・アスレチック」のエバン・ドレリッチ記者が伝えたところによると、日本時間1月25日に行われた労使交渉は、メジャーリーグ選手会が部分的に譲歩する姿勢を示したことによって一歩前進したようだ。今日の話し合いは2時間以上にわたって行われ、明日も引き続き話し合いが行われる予定だという。ようやく一歩前進したとはいえ、クリアしなければならないハードルは多く残されており、予定通りのスプリング・トレーニング開始に向けて予断を許さない状況は続いている。

選手会は今日の話し合いのなかで提案の一部として、FA資格の取得を早める要求を取り下げた。これまでは従来通りのサービスタイム6年に加え、一定の年齢(29.5歳)に達していればサービスタイム5年でもFAになれることを求めていたが、メジャーリーグ機構側はサービスタイム6年を維持するか、サービスタイムに関係なく29.5歳でFAになるかのいずれかに統一することを希望。選手会が譲歩したことにより、FA資格に関してはサービスタイム6年が維持される可能性が高くなった。

また、選手会は市場規模の小さい球団に支払われる収益分配金が選手のサラリーに還元されていないことに不満を持ち、収益分配金を総額100万ドル程度削減することを求めていたが、機構側はこれを断固として拒否。今日の話し合いのなかで、選手会は削減額の要求を30万ドル前後まで引き下げるという譲歩の姿勢を見せた。

しかし、年俸調停権の早期取得、最低年俸の引き上げ、ぜいたく税の課税ラインの引き上げ、ドラフト指名権の抽選制度、ポストシーズン拡大など、労使交渉の合意に向けてクリアしなければならないハードルは多く残されている。パッサン記者は「スプリング・トレーニング(オープン戦)の初戦まで1カ月ちょっとしか時間がなく、予定通りに開催するためには多くの分野で両者の話し合いが急速に進展することが必要だ」と伝えている。

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