2年目でワールドカップ化のETCRに、同じく電動ミドルフォーミュラ『ERAチャンピオンシップ』併催が決定

 2021年に初年度シーズンを開催したTCR規定派生の電動ツーリングカー選手権『ピュアETCR』が、2022年より『FIA eTouring Car World Cup(FIA eツーリングカー・ワールドカップ』へと進化し2年目のシーズンを迎えるのに併せて、同じく世界初のフル電動ジュニア・シングルシーター・シリーズとして誕生した『ERAチャンピオンシップ(Electric Racing Academy Championship)』が、そのサポートイベントとして開催されることが決定。FIA ETCR全7戦中5戦を併催イベントとして実施することがアナウンスされた。

 このERA車両は、FIA-F4規定である童夢製F110シャシーをベースに“Mitsu-Bachi(ミツバチ)F110e”と名付けられたワンメイクシャシーを採用することで「低コストによる参戦の容易さ」をメインコンセプトに掲げ、新たなジュニアEVシングルシーター・シリーズとして機能することを目指している。

 内燃機関となる、FIA-F4の最高出力規定である160PS(119kW)を上回る174PS(130kW)を発生するモーターに加え、バッテリーは24kWhで400Vを上限とし、最長レース時間は23分間に制限される。そのフォーマットは日曜の決勝2ヒートを前に、土曜に行われる2度の予選セッションでは、その間に充電を行わない方針を採用する。

 2020年初頭にもベルギーのゾルダー・サーキットで走行テストを実施していたERAは、5月20~22日にイスタンブールの市街地で開催されるFIA ETCRの第2戦でオープニングイベントを迎え、その後、6月のハンガロリングとスペインのハラマ、7月のゾルダーにバレルンガと、真夏のイベントで週末サポートレースとして組み込まれる。

2020年初頭にもベルギーのゾルダー・サーキットで走行テストを実施していたERAチャンピオンシップ
174PS(130kW)を発生するモーターに加え、24kWhで400Vを上限とするバッテリーを搭載

■ERAのマシンには“パフォーマンスモード”も用意

 ドライバーを含む最低重量680kgのEVシングルシーターは、最高速度が約210km/hに制限され、フリープラクティスと2回の予選セッション、そして2回のレースを実施。グリッドに並ぶ10名は、スイッチを押すだけで適応される“パフォーマンスモード”も駆使しながら、FIA ETCR関係者やファンの前でその才能と可能性を証明する機会が得られる。

 今季よりWTCR世界ツーリングカー・カップのディレクター職を後任に託し、新たにFIA ETCR専任となったハビエル・ガヴォリは、ERAチャンピオンシップとのコラボレーションに関して「少なくとも次の2年間は、ETCRのレーシングパッケージにERAチャンピオンシップを迎えることができ、とてもうれしく思う」と歓迎の意を示した。

「電動レーシングフェスティバルの作成は(シリーズプロモーターで、自身も所属する)ディスカバリースポーツ・イベントでの計画の一部であり、世界初の全電動ジュニア・シングルシーター選手権の追加は素晴らしい次のステップになる」と語ったガヴォリ。

「世界で最も著名な電動モータースポーツに参戦する各チームプリンシパルたちは、次世代のスターが彼らの目と鼻の先で競うのを見る機会があるだけでなく、ファンはこのEVスポーツの分野を支配する可能性がある、次の世代のスター候補生たちの名前を紹介されることになる」

「ERAチャンピオンシップの各チームも、電動モビリティの驚異的な可能性を示し、より持続可能な形のモータースポーツを作成するという我々のビジョンを共有しており、それが軌道に乗るのが待ち切れない気分だ」

TCR規定派生の電動ツーリングカー選手権『PURE ETCR』は、2022年より『FIA eTouring Car World Cup』へと進化
「FIA ETCRのレーシングパッケージにERAチャンピオンシップを迎えることができ、とてもうれしく思う」とハビエル・ガヴォリ

■2022年ERAチャンピオンシップ暫定カレンダー

ラウンド 開催日 開催地
Rd.1 5月20~22日 トルコ/イスタンブール市街地
Rd.2 6月10~12日 ハンガリー/ハンガロリンク
Rd.3 6月17~19日 スペイン/ハラマ
Rd.4 7月8~10日 ベルギー/ゾルダー
Rd.5 7月22~24日 イタリア/ヴァレルンガ

© 株式会社三栄