「あっぷっぷのぷ~」「おばけのうんどうかい」 那覇出身のすずきさん絵本出版 挿絵手掛け、故郷に50冊贈る

 【那覇】那覇市出身、愛知県在住のすずきまみ(本名・鈴木真実子)さん(41)がこのほど、絵本作家のあいはらひろゆきさんと絵本「あっぷっぷのぷ~」「おばけのうんどうかい」を出版した。「あっぷっぷのぷ~」は累計1万部を超える人気作となっている。すずきさんは置物のデザインの仕事をしており、絵本の挿絵を描いたのは初めて。絵を描く仕事が夢だったというすずきさんは昨年12月27日、「夢がかなった機会に故郷の子どもたちに絵本を贈りたい」と那覇市に50冊を寄贈した。

 すずきさんは大学卒業後、デザイン会社に入り、置物のデザインなどでヒット作を生んだ。独立後もデザインの仕事を続け、作品展も開催している。

 絵本の仕事は、あいはらさんがすずきさんの鬼の置物を土産店でたまたま購入したのがきっかけ。「この子たちを絵本にしたい」と挿絵を依頼した。 「あっぷっぷのぷ~」は鬼たちとにらめっこをするという内容。自身の描く鬼について「シーサーっぽいところがあり、沖縄出身らしさが出ている」と話す。

 10月には2作目の「おばけのうんどうかい」が出版された。

 寄贈された本は、市の子育て支援センター・つどいの広場などで活用される。贈呈式で、すずきさんは「私のアイデンティティーを育んでくれた那覇市に贈り物をしたい。今後も新刊を出すたびに寄贈したい」と話した。

 (伊佐尚記)

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