長崎県内で唯一の少年院 佐世保学園が業務停止へ 収容者減、老朽化などで

2023年3月末で業務停止となる佐世保学園=佐世保市大塔町

 長崎県佐世保市大塔町の少年院「佐世保学園」が2023年3月末で業務停止することが25日、同園や法務省への取材で分かった。少年院への収容者の減少や施設の老朽化などが理由。同年4月に廃庁する方針で、廃庁後の施設や土地の利活用について同省は「現段階で決まっていない」としている。
 同園は1949年に開設。家庭裁判所から保護処分として送致された14歳以上20歳未満の少年を原則20週間収容し、社会復帰を目指す短期処遇専門施設。約8万2千平方メートルの敷地に庁舎や寮舎、体育館などがある。県内では唯一の少年院。
 定員148人に対し、過去5年間での新規収容者数は▽2017年48人▽18年37人▽19年31人▽20年30人▽21年24人-と減少。今年は24日現在で12人となった。
 法務省矯正局は、近年の同園への収容動向や施設の老朽化などを踏まえ、業務停止することを総合的に判断したという。12日に同園に説明した。
 同局によると、6月末で同園への新たな収容を停止する方向で調整。これに伴い、7月に福岡少年院(福岡市)に短期課程を設ける方針。同園の在院者は年内にゼロになる見込み。
 同園は「コロナ禍で通常運営できない中でも、職員の士気には変化がない。今後も日々の矯正活動に取り組む」としている。
 少年院は25日現在、全国に47施設。月形学園(北海道)は20年4月、美保学園(鳥取県)は21年4月に廃庁。今年4月には、帯広少年院(北海道)が廃庁する予定。同局によると、いずれも老朽化や収容数の減少などが主な理由という。


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