大学通算24勝や甲子園で大記録もプロで苦戦…正念場を迎えた“かつてのスター”たち

広島・矢崎拓也(左)と日本ハム・清宮幸太郎【写真:荒川祐史】

高校通算111発のハム・清宮は昨季1軍未出場、大学通算24勝の広島・矢崎はプロ1勝どまり

直前に迫るキャンプインを、背水の覚悟で迎える選手は少なくない。高校や大学で脚光を浴びた“かつてのスターたち”の中にも、正念場のシーズンを迎えた選手がいる。プロでなかなか頭角が現せない中、アマチュア時代のような輝きを放てるか――。奮起が期待される主な選手を取り上げる。

甲子園を沸かせ、華々しくプロへ。かつての松坂大輔や田中将大のように一気にスターダムを駆け上がっていく選手がいる反面、“壁”にぶち当たるケースも。日本ハムの清宮幸太郎内野手は高校通算111本塁打の実績を誇り、ドラフトでは実に7球団が1位で競合。大きな話題を集めたが、プロ通算4年で21本塁打。昨季は1軍未出場に終わった。

清宮の同世代では、広島の中村奨成捕手もブレークが待ち遠しい“甲子園のスター”のひとり。広陵高(広島)3年夏には、聖地で大会新記録の6本塁打をマーク。強打の捕手として注目されたが、ここまで1軍39試合。プロ5年目を迎えた今季にきっかけを掴みたい。

関東一高(東京)時代に類稀なる身体能力で視線を釘付けにした楽天のオコエ瑠偉外野手も、気がつけば7年目。2020年は1軍出場なしに終わり、昨季も1軍42試合で定位置奪取とはいかなかった。同世代では、ロッテの平沢大河内野手も勝負の1年。さらに、横浜高時代にエースとして活躍し、2016年ドラフト1位で楽天に入団した藤平尚真投手や、履正社高(大阪)時代に甲子園を沸かせたヤクルトの寺島成輝投手らも結果が求められるシーズンだ。

大学球界を彩った実力者の中にも、プロ人生を左右する1年を迎えた面々がいる。慶大時代に東京六大学リーグ通算24勝をマークした広島の矢崎拓也投手は、プロ5年でまだ1勝止まり。2016年ドラフト1位右腕も20代後半に差し掛かり、今季が“分岐点”になる可能性もある。

同じドラ1では、明大時代に東京六大学の通算最多安打記録を打ち立てた阪神の高山俊外野手の巻き返しも待たれる。1年目に新人王を獲得するも、成績は下降傾向に。佐藤輝明内野手ら生きのいい若手との競争になる。創価大の剛腕として5球団が競合したソフトバンクの田中正義投手は、昨季18試合に登板して変化の兆しを見せた。かつて放った輝きは実力の裏返し。プロでも覚醒なるか。(Full-Count編集部)

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