野党、ワクチン3回目接種遅れを攻撃で「菅賛歌」 岸田首相イライラ

 24日から続く衆院予算委員会で野党第1党の立憲民主党などが「実行力を欠く」などと岸田文雄首相を追及している。新型コロナウイルスワクチンの3回目接種の実績の伸び悩みが筆頭の攻撃材料に。菅義偉前首相(衆院神奈川2区)の「1日100万回接種実現」などの実績を引き合いに出した攻撃で、自民党内の対立や分裂の誘発も狙っているようだ。

 「今月の1日当たりの接種は約11万回。菅総理の時代を振り返ると昨年7月10日には169万回も打っている。10倍も開いているじゃないか」。25日、立民の山井和則氏は岸田首相に「リーダーシップがない。菅内閣のように接種回数の目標を立てよ」と迫った。

 岸田首相は「状況に合わせて迅速に打っていく。回数目標うんぬんではない」と否定。「菅賛歌」(自民幹部)を交えた山井氏からの追及に、普段の淡々とした表情から一転、「再三言っているでしょ!」と声を荒らげた。

 大串博志氏からは24日、「総務省を使い自治体へ協力要請の直電をさせるなど接種の指揮を執った菅前総理の熱意を持て」とただされた。「自衛隊による大規模接種会場も改めて設ける」などと反論したが「会場での回数見込みも菅政権の4分の1程度」との比較で逆襲された。

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