「馬毛島」を保有していた立石建設グループの一社 、タストン・リサイクルが破産

タストン・リサイクル葛西工場

 タストン・リサイクル(株)(TSR企業コード:290620694、法人番号:6010901007236、世田谷区経堂4-17-20、設立1968(昭和43)年12月、資本金7000万円、立石巌社長)は1月24日、東京地裁から破産開始決定を受けた。破産管財人には髙木裕康弁護士(東京丸の内法律事務所、千代田区丸の内3-3-1、電話03-3213-1081)が選任された。
 負債総額は51億1786万円(2021年8月期決算時点)。

 建設事業を展開する立石建設(株)(TSR企業コード:290199727、法人番号:7010901007235、同所)の建材部が独立するかたちで設立され、砂利、石、砕石の採取販売を手掛けていた。
 立石建設グループは、立石建設を中心として当社やタストン・エアポート(株)(TSR企業コード:942045602、法人番号:6010901027936、世田谷区)などで形成される。タストン・エアポートは、在日米軍施設候補地となった鹿児島県西之表市の「馬毛島」を所有し、開発を手掛けていたことでも知られている。
 当社は京浜島工場(大田区)や葛西工場(江戸川区)などの生産拠点を有し、グループ向けに建材や砂利を供給し、2021年8月期は売上高8億4803万円をあげていた。
 しかし、従来より工場への設備投資に対する資金負担のほか、グループ会社からの借入金などで過剰債務に陥っていたうえ、近年は赤字を散発し業績が低迷していた。
 一方で、2018年にはタストン・エアポートが債権者から破産を申し立てられる事態が発生。その後、申し立ては取り下げられたものの、一連の騒動で信用がさらに低下していた。
 2019年末にはタストン・エアポートが保有する「馬毛島」を在日米軍施設候補地として160億円で防衛省へ売却。このうち、半額程度は同社へ入金されたものの、立石建設側の親族間のトラブルもあり残額が未入金の状態が続き、動向が注目されていた。こうしたなか、当社は債権者より破産を申し立てられ、今回の措置となった。

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