SDGs×スキージャンプ‐中村直幹選手‐

「イチオシ!!」や、スポーツの中継・取材を担当している、

アナウンサーの五十幡裕介と申します。

SODANEに初めて投稿します。よろしくお願い致します。

HTBが今年1月に行った『サステナ宣言!』。

サステナブル(持続可能)な社会を目指して、「SDGs(持続可能な開発目標)」について伝え、

地域の課題解決に協力して取り組んでいくことを始めました。

SDGsとスポーツの融合を目指しているのが、スキージャンプの中村直幹選手(札幌出身)。

来月開催される北京オリンピックの日本代表にも選ばれています。

中村選手(右)を大学時代から取材しています

中村選手を一言で表すならば、「CEOジャンパー」。

日本代表に選ばれるジャンプ選手は、社会人であれば企業に所属することが

ほとんどなのですが、中村選手は、その道を選びませんでした。

大学卒業後、環境問題に取り組む合同会社

「Flying Laboratory (フライングラボラトリー)」を自ら起こし、

代表取締役社長を務めながら競技を続けています。

そんな中村選手は、どうしてSDGsについて考えるようになったのか。

ジャンプ選手として海外遠征をする中で目の当たりにしたのは、各国の文化や環境の違い。

さらに、試合を転戦するための移動によって、

ガソリンや電気といったエネルギーを沢山消費している現実。

「このまま地球をむしばみながらスポーツをやっていたら、

いずれスキージャンプができなくなってしまう」という"危機感"からでした。

「SDGsは、いつかはやらなくちゃいけないこと。ならば先にやっておくわ!」と中村選手。

2019年に立ち上げた会社のキャッチコピーは、

「スポーツ選手の応援がSDGsになる」です。

中村選手は、昨シーズン、ジャンプの大会で1メートルを飛ぶごとに10円を、

SDGs推進団体「SDGs村・北海道」に寄付する「NAO METER(ナオメーター)」を実施。

寄付をした70,625円は、子ども食堂やペットボトルの完全循環事業に役立てられました。

「僕の一人の脳みそじゃ足りない」と、活動に賛同してくれる人も募り、

オンラインサロンを開いてSDGsについて議論。ジャンプも会社も応援してもらうことで、

特別な「ファン」としてジャンプを楽しんでもらうと同時に、

「未来まで選手として飛べるように」というSDGsを考えるきっかけになった

根本の目的を果たそうとしています。

幼なじみと「NAO METER」について熱い議論

「壮大なことをしているなぁ」とインタビューをしながら感心してしまったのですが、

中村選手は、SDGsに取り組むことで「自分の生活の質を制限しない」と話します。

取材当日、中村選手が着ていたのは、再生プラスチックで作られた服。

再生プラスチック100%には見えませんでした!

「多分窮屈になれば色々できることはあるんですけど、

それだと自分の人生がつまらなくなっちゃうので、自分のできる範囲で良いんです」。

一見ハードルが高そうなSDGsを、無理なく、楽しみながら取り組む中村選手が、

とても印象に残りました。

それでも、中村選手が最も夢中になっているのは、あくまでスキージャンプです。

「あまり大きなことを目指すよりも、今までやってきたことをコツコツやり続ける。

突き抜けていきたいけど、無理をしないで頑張る」。

間近に迫った北京オリンピックにも、CEOジャンパーは、

SDGsに取り組む姿と同じように等身大の姿で臨みます。

CEOの活躍を期待しています!

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