「マイナンバーカード」を使って証明書を取りに行ったけれど“失敗した実体験”気をつけるべき点は?

みなさんはマイナンバーカード、作りましたか?

最近では国民の3分の1が持っているといったCMを目にすることも。2021年12月6日時点の普及率は40%に届いたそうです。作成することで貰えるポイント(直近であれば最大2万円分)もあるので、ご自身の普段の生活圏で使えるポイントと交換して使うのもいいですよね。政府も普及促進のために1.8兆円の予算を計上する鳴り物入りの事業です。

では、実際にマイナンバーカードを取得するとどんなメリットがあるのでしょう。最大2万円分のポイントはまず最初に受けることができるメリットですが、それ以外でも、私たちの生活は便利になるといわれています。

しかし実際に使ってみたものの、うまく使えなかったという人も。失敗した筆者の知り合いの事例を取り上げて考えてみましょう。


印鑑証明を取りに近所のコンビニに向かうも…

マイナンバーカードを持っている知り合いのAさん(以下Aさん)は、印鑑証明書を取りにコンビニに行ったそう。実際に書類を取ったことはなかったものの、店員さんに聞けば大丈夫だろうと特に調べずに向かったといいます。

各コンビニにおいてあるマルチ端末の画面をのぞいてみても、それらしき項目は見当たりません。Aさんは店員さんに声を掛けます。

Aさん「この端末で印鑑証明取れますよね?」
店「取れると思いますよ、やりかたわからないですけど……」

結局、その場でスマホを使って調べると、マルチ端末ではなく「コピー機」で取れることがわかりコピー機へ。ステップ通りに進み暗証番号を入れたのですが、3回間違ってしまい、なんとロックが。その日彼は印鑑証明を取ることができませんでした。

次の日、ロックが解除されたと思い、改めてコンビニに向かいます。昨日と同様の手順で今度は正しい暗証番号を入れるも「ロックされているので区役所にお問い合わせください」の文章が。

電話で問い合わせてみると「暗証番号のリセットが必要なため、役所までお越しください。リセット後24時間経つと再度利用いただけます」とのこと。

暗証番号のリセットのため今度は区役所に

仕方なく、Aさんは暗証番号をリセットしに区役所へ向かいました。

手続き後に「24時間経たないと使えないのか」を確認すると「いえ、使える場合もあります。ただ、使えない場合もあるので確実ではないですが」という回答。

とはいえ区役所まで来たので「ここで印鑑証明をとればいいのでは」と気づき、通常通り窓口に発行依頼をしに行くと「印鑑証明カードをお持ちですか?」との対応。カードは持っていなかったため、印鑑証明はとれませんでした。

せっかく区役所まで来たのに印鑑証明カードを持っていなかったがために手続きをすることができなかったのです。

窓口を後にして、ふと顔を上げると目の前にコンビニが。物は試しと、コピー機で手続きしてみるとあっさり取得、「なんだか……」と思いながら帰路についたそうです。

マイナンバーカードは便利だけれど

事例からもわかるように現状の段階では、“マイナンバーを持つだけ”で便利になるわけではなく、きちんと使い方を自分で理解しておく必要があります。暗証番号も再度確認をしておきましょう。

今までであれば印鑑証明など公的書類を手に入れるためには、役所が開いている時間(基本的には平日の日中のみ)に出向いて、何分も待たなければいけませんでした。それを考えると、近くのコンビニで自分の都合に合わせて書類が手に入るのはかなりの時間短縮となり、便利です。

「そんなに公的書類を取ることはない」という声も聞こえてきそうですが、今後、保険証に続き免許証も兼ねるようになる予定となっています。将来的に1枚のカードを持つだけで済むようになれば、単純に持ち物を減らすことができます。

キャッシュレスが進み、お財布ではなくスマホだけを持つという生活であれば、その1枚のカードをスマホに入れておけばよく、これもメリットの一つになるでしょう。

今後オンライン手続きが可能に

そのほかにも、マイナンバーカードを取得し「マイナポータル」にログインすることで、これから本格的に運用が開始されるであろう、コロナワクチンの接種証明書の申請や、セカンドライフにおいて収入の柱である年金支払額や振込予定日等の給付情報の閲覧など、さらにさまざまな手続きがオンラインで可能になります。

特にこのコロナ禍で人を介さずに必要な手続きが済ませられるのは安心ですよね。


すでに国民の4割が取得しているマイナンバーカード。

現状では便利になる、というわけではなく「手段が増える」という程度で考えておくのが良いかもしれません。しかし、これから取得者が増えることにより、行政のサービスもより一層手厚くなる可能性は十分に考えられます。

まずはお得に取得ができるこのタイミングに手続きをしてみてはいかがでしょうか。

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