OPEC基金が2021年に15億米ドルの新規開発融資、影響力を深化させCOVID-19ファシリティーを完全活用

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【ウィーン2022年1月27日PR Newswire =共同通信JBN】石油輸出国機構(OPEC)国際開発基金(OPEC基金)は2021年、国際的な開発課題に総額15億米ドルをコミットして大きく貢献した。1月28日に創設46周年を迎えるOPEC基金は、10億米ドルのファシリティーを十分活用し、パートナー諸国が経済の強じん性を高め、中小零細企業(MSME)支援で経済成長と雇用創出を強め、インフラストラクチャー投資に必須の資金を提供し、COVID-19パンデミックへの対応を支援することに務めた。

OPEC基金のAbdulhamid Alkhalifa事務局長は「強力な財務状況とパートナー諸国やクライアントとの緊密な関係のおかげで、OPEC基金は2021年に、こうした諸国での差し迫ったニーズに迅速、効果的に対応できた。われわれの強力な対処が、人々のニーズに応えて生活の改善を目指す幅広いプロジェクトに役立った。持続可能な開発目標(SDGs)の追求を続けつつ、COVID-19パンデミックへの国際的な対策にもかなり迅速で効果的に貢献できた。46周年を迎えて新しい年が始まる中で、われわれの2021年の実績は、今年も開発に相当貢献できるという自信と熱意を鼓舞している」と語った。

多国間開発機関としてのOPEC基金の立場は、2021年に世界の2大格付け機関のフィッチとS&Pによっても承認された。OPEC基金への初の評価でフィッチは「AA +、安定的見通し」の格付けを付与し、基金の優れた資本構成を強調した。S&Pは「AA/A-1+、ポジティブな見通し」とし、基金の「強固な資金調達力と資金状況」を指摘した。

COVID-19パンデミック発生後にOPEC基金が設定した10億米ドルのファシリティーは、2021年末までに完全活用された。パートナー諸国や他の資金提供者と調整し、基金は機敏な承認手続きを採用して、緊急に必要とする資金の急速な提供を可能にした。COVID-19ファシリティーの下での活動には、ヨルダン政府の行動計画を支援する7050万米ドルの融資や、モルジブの中小企業を援助する1000万米ドルのファシリティーが含まれた。

活動の内訳を見ると、従来から中小零細企業や女性主体事業への貸し付けに使われた金融分野へのコミット額が4億9600万米ドルに上った。その他の分野は農業(2億1100万米ドル)、輸送と倉庫保管(2億0500万米ドル)、エネルギー(1億5300万米ドル)、商品援助(1億3700万米ドル)、水と衛生(2000万米ドル)、医療(1500万米ドル)など。多方面にまたがるマルチセクタープロジェクトは2億4600万米ドルを受けた。

エネルギー分野でOPEC基金は、パートナー諸国でのエネルギー利用を大幅に高め、エネルギー転換への取り組みを助ける受賞歴のあるプロジェクトに資金提供した。基金は国際的なパートナーと協力し、ウズベキスタンで最大の民間主体プロジェクトであるシルダリヤ発電プラントと、最大150万世帯の電力需要を賄うと見込まれるモザンビークのテマネ・ガス火力発電所の建設と運用を支える融資を提供した。2021年のOPEC基金の融資は、6億8600万米ドル(46%)が公共部門の開発計画の支援に当てられ、貿易金融は4億4400万米ドル(30%)、民間部門への融資は3億5300万米ドルだった。

地域別の配分では、アフリカでの事業が7億7000万米ドル(51%)、続いてアジアが5億3600万米ドル(36%)、中南米・カリブ海が1億7700万米ドル(12%)だった。

2021年のOPEC基金理事会によるESG(環境・社会・ガバナンス)強化策の採用は、基金によるStrategic Framework 2030(戦略枠組み2030)の実行で新たな前進となった。この枠組みは持続可能な開発目標(SDGs)の達成といった長期課題や、COVID-19パンデミックのような緊急事態とその経済的・社会的影響に対処するため、基金が活動を拡大して影響力を深化させることを目的とする。

こうした目的への重要な前進が、国際開発機関やパートナー組織との協力を深めることでOPEC基金の力をてこ入れしている。2021年にOPEC基金がプロジェクト共同融資した相手には、アフリカ開発銀行やアジア開発銀行、国際農業開発基金(IFAD)、アラブ調整グループ、世界銀行、国際金融公社(IFC)などがある。OPEC基金はアンデス開発銀行(CAF)と、中南米カリブ諸国で協力を強化、促進する協定も結んでいる。

▽OPEC基金について
OPEC国際開発基金(OPEC基金)は石油輸出国機構(OPEC)加盟国から非加盟国への資金供給を専門とする世界的な付託を受けた唯一の開発機関である。同基金は発展途上国パートナーや国際開発コミュニティーと協力し、世界の低・中所得国の経済成長と社会的発展を促進している。OPEC基金は1976年、開発を推進し、コミュニティーを強化し、人々を支援するためOPEC加盟諸国によって設立された。その業務は人間中心であり、食料、エネルギー、インフラストラクチャー、雇用(特に中小零細企業関連)、清潔な水と衛生、医療、教育などの不可欠なニーズに応えるプロジェクトへの資金提供に重点を置いている。現在までに125を超える国々の開発プロジェクトに220億米ドルを上回る融資を約束し、プロジェクトの総額は1870億米ドルと推定されている。OPEC基金は2021年、格付け機関のフィッチから「AA +、安定的見通し」、S&Pから「AA/A-1+、ポジティブな見通し」と格付けされた。われわれのビジョンは、持続可能な開発が全ての人々にとって現実となる世界である。

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ソース: OPEC Fund for International Development