西都にアート親しむ“公民館” 美術家・大野さん開設

美術作品などを鑑賞できる展示スペース「ニュージアム」を西都市に開設した大野哲史さん

 宮崎市佐土原町の美術家、大野哲史さん(41)は西都市南方の国道219号沿いに、絵画などの展示スペース「ニュージアム」を開設し、公開を始めている。市外から作品を見に来る美術ファンや、世間話をしに立ち寄る近隣住民も増えており、大野さんは「さまざまなアートに親しめる公民館のような場になっていくといい」と話している。
 同町出身の大野さんは高校卒業後に上京し、東京のライブハウスなどで勤務。独学で絵も描いていた。10年ほど前に帰郷後は、絵や段ボールを使った立体作品を制作し、ギャラリーや路上で開かれるアートイベントでの発表を重ねてきた。
 自身の作品などを並べる展示スペースの開設は以前からの夢で、西都市の知人を通じて見つけた木造平屋の古い借家を、約1年かけて自力で改修。絵画約10点を展示できる白い壁面を備えたスペースと制作用のアトリエを設け、昨年10月下旬から公開を始めた。
 ニュージアムという名称は、「新しい」と「美術館」を意味する英語を組み合わせた造語。「公民館と美術館が一緒になったような場所」(大野さん)を志向しており、展示室内では一杯400円でブラックコーヒーを提供したり、洋楽やニューミュージックなどのアナログレコードを試聴してもらったりしている。
 大野さんは「時々来て昔の話をしていくお年寄りや音楽好きの人など、いろんな人との関わりが増えて創作意欲も増している。さまざまな芸術や文化に触れられる場所にしていけたら」と話している。
 観覧無料。開館時間は午前10時~午後5時。月、火曜日は休み。

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