2021年中朝貿易 封鎖前の89%減 陸路輸送再開も限定的か

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左から中朝友誼橋、鴨緑江断橋

21年中朝貿易は20年比41%減19年比89%減

 中国税関総署が1月中旬に発表した貿易統計によると、2021年の中朝貿易の総額は、前年(2020年)比41%減の3億1803万ドル(約365億円)であった。

 このうち、北朝鮮の中国からの輸入(対中輸入)は、前年比47%減の2億6016万ドル(約298億円)、中国への輸出(対中輸出)は、前年比20%増の5787万ドル(約66億円)となっている。

 北朝鮮では、新型コロナウイルス対策のため、20年1月から国境管理を行なっていることが影響した。

 国境封鎖前の19年比では89%減となっており、中朝貿易に依存している北朝鮮にとって、2年間の貿易停滞は大きな痛手となっている。

 今年1月にようやく中朝間の貨物輸送が再開されたが、当面は、陸路貿易は限定的となる見通しである。

21年12月は合金鉄の輸出が21年最高額

 中国税関総署が同じく発表した21年12月の中朝貿易総額は、5079万ドル(約58億円)で、前月比(11月)で23%増となっている。このうち、対中輸入は3504万ドル(約40億円)で、ほぼ前月と同水準。

 輸出上位の品目は、プラスチックやたばこ、医療用品、ゴムとなっており、上位の顔ぶれは前月や前々月と大きく変わっていない。

 一方、対中輸出は、1574万ドル(約18億円)と、前月の2.4倍となった。特に目立ったのは、21年7月から輸出の柱となっている合金鉄。

 12月の合金鉄の輸出額は1173万ドル(約13億円)で、前月の370万ドル(約4億2000万円)から約3倍の大幅増。月別では21年中最高額である。

陸路貿易再開も限定的となる見通し

 21年後半は、中朝貿易がおおむね回復傾向にあった中、今年1月16日、中国・丹東と北朝鮮・新義州間の貨物列車の往来が再開した。

 丹東在住者の話によると、16日午前9時頃、北朝鮮から貨物列車が丹東に入り、17日早朝には、同列車が新義州に戻ったことが確認されている。その後も17日から18日にかけて再び列車が行き来した。

 気になる貿易品目だが、韓国メディアは、「北朝鮮が食料品や生活必需品、医療用品などを輸入した」と報じている。

 貿易再開に際して、中国報道官は、「(中朝)双方は、防疫面の安全確保を前提として、中朝の正常な貿易往来に助力していく」と発表しており、中朝間の貿易量は、ある程度は回復するとみられる。

 ただ、北朝鮮はいまだ「非常防疫活動が国家活動の第1順位」を掲げていることから、当面の間は、北朝鮮が中国から必要物資を輸入するための最小限の陸路貿易となる見通しだ。

八島 有佑