新型コロナウイルスの感染急拡大を受け、長崎大学病院感染制御教育センター長の泉川公一教授が27日、記者会見し「高齢者や基礎疾患がある人が感染しないような取り組みが特に重要だ。拡大が続けば命を落とす人が出てきてしまう」と危機感を示した。
コロナ入院患者の26日時点の平均年齢は65.8歳。高齢の感染者増に伴い、肺炎の症状がある中等症Ⅰが28%、酸素投与が必要な中等症Ⅱが16%に上るなど症状の重い患者が増加傾向という。
現在流行中の新変異株「オミクロン株」について泉川教授は「高齢者や基礎疾患がある人にとっては脅威。『軽い』『心配いらない』ということではない」と断言。このまま感染拡大が続くと、多くの高齢者が入院し、死亡するケースも増加した「第3、4波と同じ状況になりかねない」との認識を示した。
県民ができる対策としてこれまで同様、マスクの正しい着用や換気に加え、職場などでの飲食時の黙食を要請。「マスクを外したときに話さないのは大事なポイント。『これぐらいいいよね』ではなく徹底を」と呼び掛けた。
感染のピークについては「まだ上っている状況」としながらも、県内全域に「まん延防止等重点措置」が適用されたことについて「これまでは県が強い要請を出した後には減少傾向になっていた。各自にとって最善の感染対策は何かということを考えてほしい」と話した。
高齢者感染に注意 長崎大学病院・泉川教授 『これぐらいいいよね』ではなく対策徹底を
- Published
- 2022/01/28 11:00 (JST)
- Updated
- 2022/01/29 11:07 (JST)
© 株式会社長崎新聞社