〈新型コロナ〉市民に戸惑い、不安 濃厚接触者業務見直し 「柔軟対応」理解求める 糸魚川保健所

 オミクロン株の影響による新型コロナウイルス感染急拡大を受け、県は25日、濃厚接触者対応に関する保健所業務の見直しを発表した。保健所への負荷軽減を図るなどの目的で行う。明らかになった方針変更に対し、糸魚川市内では戸惑い、不安の声も聞かれる。

 県の発表によると、これまでは保健所が検査陽性者に聞き取り、濃厚接触者や感染経路を個々に把握して感染拡大防止に努めてきたが、今後は陽性者の同居家族以外の濃厚接触者への連絡・検査は行わない。重症化リスクの高い高齢者、障害者などへの対応に重点を置くとしている。

 業務見直しを知り、市内の70代男性は「県は濃厚接触者の基準を示しているが、自分で判断するとなると難しい。自分で言えない人も出てくるだろう」と困惑。80代女性は「市の感染者発表が人数だけになってしまい、とても怖い。見えないお化けにおびえているようだ」と不安を募らせた。

 糸魚川市は「県の決定事項」と、原則を明確にしながら、市民生活に支障を来さないための周知等に向けて、県との調整、連携を図り対応していく」との方針を示した。

 上越タイムス社の取材に対し、県糸魚川保健所の山﨑理所長は「機械的に学校や職場の検査を、行政として全てやめてしまうということではない」と説明。「接触者の検査を行わないと大きな問題が生じることがないかなど、個別に状況をお聞かせいただいた上で、必要と判断される場合には検査を行う場合もあろうかと思う」と、柔軟対応への考えも話し、市民に向けて理解を求めた。

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