主演・赤澤遼太郎 玉城裕規、平野良らが出演 舞台「文豪とアルケミスト 捻クレ者ノ独唱(アリア)」 脚本 なるせゆうせい インタビュー

「文豪とアルケミスト」は、人々の記憶から文学が奪われる前に、文豪と共に敵である“侵蝕者”から文学書を守りぬくことを目指す、DMM GAMESで配信中の文豪転生シミュレーションゲーム。舞台化の第1弾は2019年に上演され、今作で第4弾となる。また、22年夏には第5弾の上演も決定している。なお、原作ゲームは21年11月に5周年を迎えた。第4弾の主演は徳田秋声役の赤澤遼太郎。尾崎紅葉役の玉城裕規、泉鏡花役の山﨑晶吾、川端康成役の正木郁はシリーズ初登場となり、第1弾にアンサンブルキャストとして出演した澤邊寧央が里見弴役で出演する。太宰治役の平野良、佐藤春夫役の小南光司、国木田独歩役の斉藤秀翼は前作に引き続き出演する。第1弾から脚本を担っているなるせゆうせいさんのインタビューが実現した。

――舞台「文豪とアルケミスト」シリーズ、過去作品の手応えは?

なるせ:第1弾は、太宰治が抱く芥川龍之介への憧れをメインで描き、第2弾は志賀直哉と武者小路に焦点を当てました。第3弾は太宰治、そして北原白秋。僕の中では、第3弾でシリーズが終わるのではなかろうかというのが漠然とあったのですが、ありがたいことに第4弾をさせていただくことになりました。

――今回は徳田秋声や尾崎紅葉など、複数の新キャラクターが出ますね。あらすじは尾崎紅葉一門が再会して、『金色夜叉』が侵蝕される……という設定ですが?

なるせ:原作ゲームでは、徳田秋声が一番最初の案内人のような役目を務めています。第4弾の話が上がったとき、原作ゲームにもう一度立ち返り、徳田秋声をピックアップしてみようということになりました。僕、実は徳田秋声という小説家を詳しく知らなかったんです。他にも知名度がある小説家がいるのになぜ彼が案内人なんだろう?と思っていたところ、DMM GAMESさんのルーツがある石川県にちなみ、徳田秋声が選ばれたというお話しを伺いました。

――ほかには泉鏡花がいて、佐藤春夫、国木田独歩、川端康成がいて、太宰治もいる。このあたりの人間関係については?

なるせ:徳田秋声って、僕の中では少し異色なんですよ。自然主義とはいえ尾崎紅葉の門弟に入って、泉鏡花という兄弟子がいて。尾崎紅葉の弟子の中ではスタイルが違う。泉鏡花はどちらかというとファンタジックですが、徳田秋声はそうではない。同じ一門にいつつも本人たちが持っているわだかまりというか隔たりを描きたいなと思い、そこから進めていった感じです。

――実際には距離をおいていたりしますしね。

なるせ:似て非なるものもいっぱいあるので。今作に関しては、徳田秋声は真実を見つめる力があると考えています。そんな彼が抱く葛藤に太宰も関わってきたり…。また、初登場の川端康成と太宰との関係性もやはりおもしろくて。舞台「文豪とアルケミスト」では聞き覚えのある、「芥川賞を取れなかったのは川端康成のせい」とずっと言っているような(笑)。徳田秋声と尾崎一門という大筋がありつつも、他の登場キャラクターが関わる部分も同時に走っていて。絡み合いながら最後どうなるか…というのは見どころのひとつですね。

――里見弴が泉や徳田と関わるエピソードも。

なるせ:原作ゲームではピュアボーイな印象なんですが、そのピュアさゆえに事を荒立ててしまったりして上手く行かないんですよ(笑)。なので、里見弴に関しては可愛らしさを押し出してくれるのではと勝手に期待しています(笑)。

――あと、演出・吉谷晃太朗さんが「徐々に正体が判明していく敵との戦い。この世における最大の敵は自分自身」とコメントしていましたね。

なるせ:なるほど。かっこいいこと書いてますね(笑)。今回に関しては侵蝕者はもちろん、人間関係にもフィーチャーしています。先ほどお話しした、徳田秋声が「真実の眼」を持っているというところが一つのフックになっているという部分を楽しみにしていただけたらと思います。

――ある程度近代文学史を知っておいたほうが、より楽しめますか?

なるせ:歴史を紐解いていくと様々なおもしろいことが見つかりますよね。人に歴史ありといいますか、物語はぽっとでてくるわけではないですから。そこをうまくエンターテインメントに結びつけて作っていくのが自分の使命だとも考えています。

――舞台「文豪とアルケミスト」は誰もが持つ心の隙をついて侵蝕していくような作品ですよね。

なるせ:負の部分はどこにも存在はしていて、今の世の中にも通ずると思います。僕で言えば、自分の弱みみたいなものは物語の創作にもなりうるし、逆に言えば自分を蝕む存在にもなり得る。吉谷さんが話していたのもそういうことなのかもしれないですね。今作も『金色夜叉』という作品が登場し、深く関わっていきます。その裏側に潜むものは何なのか?そのあたりを掘り下げいただくと、お楽しみいただけると思います。

――それでは、最後にメッセージを。

なるせ:文学がどのように存在していたのかなど、当時の時代背景や登場人物たちの関係をちょっとかじっておくとより楽しめると思います。また、徳田秋声がどうやってこの世界を見ていたのかを追っていくと、より興味深くなるのではないでしょうか。ぜひ劇場でお楽しみください。

――ありがとうございました。公演を楽しみにしています。

<あらすじ>
文学作品を守るためにこの世に再び転生した文豪たち。
尾崎一門が奇跡的な再会を果たし、皆それぞれが懐かしさに浸る中、どこか戸惑いを隠せない様子の徳田秋声。
ある日、徳田の師である尾崎紅葉の作品『金色夜叉』が突如侵食される事態が起こる。
太宰治らの協力のもと無事作品に潜書し、侵食者にとどめを刺そうとするがーー。

<概要>
日程・会場
[東京]2022年2月3日(木)~13日(日) シアター1010
[大阪]2022年2月18日(金)~20日(日) 森ノ宮ピロティホール出演
<生配信決定>
東京・大阪千穐楽を含む5公演の生配信およびアーカイブ配信の実施決定!
対象公演:
2月5日(土) 13時、18時
2月13日(日) 13時 ※東京千秋楽
2月20日(日) 12時、16時30分 ※大阪千秋楽
配信チケットURL:http://dmm.com/4377
販売開始:1月28日(金)18時~
出演
徳田秋声:赤澤遼太郎、泉鏡花:山﨑晶吾、佐藤春夫:小南光司、国木田独歩:斉藤秀翼 川端康成:正木郁、里見弴:澤邊寧央
尾崎紅葉:玉城裕規
太宰治:平野良

仲田祥司、町田尚規、多田滉、山口渓、田中慶、田ノ中亮資、平澤佑樹、安久真修
スタッフ
原作:「文豪とアルケミスト」(DMM GAMES) 監修:DMM GAMES
世界観監修:イシイジロウ
脚本:なるせゆうせい(オフィスインベーダー) 演出:吉谷晃太朗
音楽:坂本英城(ノイジークローク)・tak
制作:ポリゴンマジック
主催:舞台「文豪とアルケミスト」製作委員会
公式ホームページ http://bunal-butai.com/
公式 Twitter @bunal_butai(https://twitter.com/bunal_butai)
取材:高 浩美
構成協力:佐藤たかし
なるせゆうせい撮影:金丸雅代

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