【高瀬みゆき】《第1弾》青春時代を過ごしたアクトレスガールズ、そしてYOLO始動!溢れる元気でプロレス界を駆け抜ける!!

現在フリーランスとして活動中の高瀬みゆきは元気溢れる試合で様々な団体からオファーを受け活躍している。

所属していたアクトレスガールズが2021年12月31日をもってプロレス団体としての活動を終了、Beginningの解散に伴い卒業となった。

現在は小林香萌とエンターテイメントチーム・YOLOとしても始動。

今回のロングインタビューでは、現在の活動、2021年左肘内側側副靭帯損傷での欠場期間やアクトレスガールズ時代の思い出、元気の源について、理想のレスラー像などたっぷりと語ってもらった。

【現在の活動状況】

――復帰されて久しぶりなので元気な姿が見られてよかったです。

高瀬:めちゃくちゃ元気です(笑)

――(笑)今は復帰して100%の状態ですか?

高瀬:100%状態です。もう何の心配もなく。ただ、やっぱり体力がちょっと…。

――落ちました?

高瀬:落ちましたね。入院中もスクワットや腹筋など、肘を使わないものはやらせてもらえたんですけど、やっぱり走り回ることはできなかったんで。

――そうしたら持久力やスタミナ面に課題ありですか。

高瀬:そうですね。

――やっぱりちょっと息が切れやすくなったりっていう感じですか?

高瀬:切れやすくなったり、やはり受け身を取りながら動くっていうのはプロレスならではの体力の消耗というか。試合をした時に「え!?こんなんでバテてたっけ、私」って思いますね。

――やっぱり受け身を取ってた感覚みたいなのが、間が空くと頭の中でのイメージと体のダメージとの差が結構大きかったって感じなんですか。

高瀬:「こんなだったかな…」と思いながら(笑)

――でも、やっぱり試合数をこなしていくと、その辺の感覚も戻ってくるんでしょうね。

高瀬:だいぶ改善はされてきました。

――プロレスラーにしか分からない話ですよね。ちなみに、現在の活動状況について、教えてください。

高瀬:今、もう完全に個人で活動してまして、一応、小林香萌さんと一緒に活動するYOLO(You Only Live Once:人生一度きり)ということで、連絡を取りながら「何かやれたらいいね」と話し合いはしています。試合のオファーは完全に個人で受けて参戦するっていう感じですね。個人のグッズなども。

▼2021年12月23日チーム・YOLOとしての活動を発表

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――全部自分で決めて、自分でやってらっしゃるんですね。

高瀬:そうですね。

――今までアクトレスガールズとして活動してきたので、個人でやる、その違いみたいなのってどういうところがあるんですか?

高瀬:私は結構アクトレスガールズの時から、自分のポートレートも自分で作って撮影をやってとかしてたので、あまり正直、変わり映えはないんですけど。ただ、練習が決まった時にないのは一番大きいですかね。あと、ちょっと寂しく思うのは、帰る場所がないっていうのが。やっぱり参戦していても、ずっとアウェイじゃないですか。今までは必ずセコンドに誰か来てくれたり、試合を見て「この間の試合、〇〇だったね」っていうふうに話せる仲間がいたのがいなくなったので、それはちょっと寂しいなって思います。

――それら以外は基本的に今までやられてたことと、特に変わりはなく?

高瀬:そうですね。意外と変わり映えなく、元気にやってます(笑)

――元気そうな姿が見れて、本当によかったなと思います。そして…きれいになりましたね(笑)

高瀬:(笑)ありがとうございます。

【欠場期間の過ごし方】(2021年7月から左肘内側側副靭帯損傷で欠場、12月復帰)

――ちなみに欠場期間中はどういうふうに過ごされてたんでしょうか?

高瀬:欠場中に入院してた時も「全然トレーニングしていい」と許可をもらっていたので、病院の部屋でスクワットをして、汗だくになりながらみたいな(笑) とりあえず筋肉を落とさなくていいところは絶対に筋肉を落とさないようにしようと思って、ずっとトレーニングしてました(笑)

――(笑)それ、だけど看護師さんとかに何か言われました?

高瀬:笑ってました(笑) パーッて見回りに来てくださるじゃないですか。(ベット横のスペースから)汗だくで「お疲れ様です」って言ったら「アハハ」って笑ってました。なので、だいたいシャワーは、隔日(2日に1回)とかなんですけど、毎日やらせていただき…。

――入らせてもらってたんですね(笑)

高瀬:はい(笑)「足りないよね」って言って、毎日入れさせてもらいました。

【コロナ禍の過ごし方】

――コロナの影響もちょっとあって、世の中的にはなかなか外出を遠慮するようなムードとか、外で騒ぐみたいなムードがなかった時期にかぶってる部分もあると思うんですけど、コロナ禍の過ごし方っていうのは、どのように過ごされてたんですか?

高瀬:コロナ禍も同じですね。本当に、はやりだしたひどかった時は、もう一切家から出ませんでした。コンビニに行くのでも何か言われるような時代だったので、一切出なくてヨガマットを買ってその上でできるトレーニングだけをして、あとはもう…ごはんとかもスーパーのUber Eats(ウーバーイーツ)みたいなのがあるじゃないですか。

――ありますね。

高瀬:あれで食材を買って、家の中で過ごすみたいなのを2か月ぐらいやってました。

――もう完全に孤独との闘いになりますよね。

高瀬:なので毎日9時半から、自分のYoutubeで雑談の生配信をしてました。

――それはご自身にとってファンとの接点が持てるところで、やはり心のよりどころになってきたりするんですかね。

高瀬:めちゃめちゃなりましたね。結構見てくれてる方はそんなに大人数いないんですけど、やっぱり喜んでくださいましたし、不思議なことに、私のプロレスを見たことがないのに生配信に毎日来て「興味を持ったから」って言って、復活した後に初めて試合を見に来てくれた方も(笑)いらっしゃったりとか。

――ではプロレス界に引き込んだ窓口ですよね、そういう部分では(笑)

高瀬:はい、引き込みました(笑)

――高瀬みゆきという存在自体に興味を持ってくれた方々と、そういう部分での接点が新しいチャネルで、新しいファンの開拓にもつながったということですね。

高瀬:そうですね。

――その活動は、自分にとっても日々の励みにもなったりっていうところなんですね。

高瀬:なりました。おかげですごく、人の前に出るっていう意識を忘れずに済みましたし。

――結構やっぱりコロナ禍で、皆さんうっぷんがたまったり元気がなくなったりするようなことが世の中的には多かったと思うんで、高瀬さんみたいに、そういう時でも新しいものにチャレンジできるというのは、自分の中でどうやって芽生えてきたのですか。

高瀬:結構昔から考え方が「変えられないものは仕方ない」と受け入れる事が多いです。意外とどんな状況でも、私は自分の意志に向かってぶち壊していくみたいなイメージを持ってる方も多いんですけど、実は一回は体当たりしてみるんですけど「ここはもう変えられないな」というものがあったら、それは一回受け入れるっていうのをいつも心がけていて。受け入れたうえで、それでも自分にできることっていうのはあるじゃないですか。その中で自分の200%を出そうと。自分にできることは何かっていうことをよく考えるようにしてます。出来ないことに不満を向けるんじゃなく、出来ることを理解し考えることで新しいものが生まれると思うんです。

⇒次ページ(学生時代はスーパーマンだと認識していた・髪型を変える時の心境の変化)

【学生時代はスーパーマンだと認識していた】

――それはいつぐらいからそういう考えになってきたんですか? 学生の時?

高瀬:いや、学生の時は、自分がスーパーマンだと思ってたので(笑)

――(笑)学生の時は、もう「私、ヤバい」と(笑)。

高瀬:スーパーマンだと。何でもできるって思ってました。その時にプロレスを始めてたら、私はもうすごい…空を飛んでたかもしれない(笑)

――(笑)体力もあったし。学校の成績もよかったらしいじゃないですか。

高瀬:そうなんです。学校の成績、なぜかよかったんです(笑)

――本当に両方ともいける人だから、やっぱり自分自身でも「私、スーパーマンやな」と(笑)

高瀬:自信に満ちあふれて。やっぱり大阪という土地もあると思うんですよ。

――あるでしょうね。

高瀬:個性の塊みたいな人が山のようにいるので、みんな自分に自信満々なんですよ(笑)

――そんなことないですけど(笑)

高瀬:いや、大阪人はみんな自信満々ですよ(笑)

――そういう「負けへんぞ」とかプライドとか、やっぱりやってきたことが、そういう考え方のポジティブさになってきてるのかなと思います。ファンの人も高瀬さんを見てたら元気がもらえるような存在かなと僕は思うんですよね。

高瀬:うれしいですね。私の人生の課題というか、そういうのがあるとしたら、私はたぶん自分の元気が自分でも抑えきれない時があるんですけど(笑)、そういう持ちすぎてる元気を…。

――パワーがあふれちゃう。

高瀬:はい。これをみんなに配るのが自分の人生のモットー、課題なんだと、なんとなく自分の中で思ってまして(笑) だから、プロレスはすごく合ってる。

――相性がいいんですね。

高瀬:合ってると思います。

――プロレス界に飛び込むっていう、成績もよくて体力もあって女優やプロレスにチャレンジするのは、やはり行動派なんでしょうね。

高瀬:そうですね。

――行動するのに躊躇はあまりないほうなんですか?

高瀬:躊躇はほぼないですね。とりあえず思ったら、まずやる。思い立ったら即行動っていう。

――例えば、服を買う時とかは悩むほうですか?

高瀬:悩まないですけど、ピンときたら悩まないです。ピンとくることが少ない時もあるんですよ。なので、買いに行って「違うんだよな」、「違うんだよな」で一生買えない時もあれば、「これ!」って言って、バババッてめっちゃ買う時もあれば(笑)

【髪型を変える時】

――ちなみに、髪型は結構変わってきてるじゃないですか。デビューから相当髪型が変わってきてるなと思って。つい最近も「ぱっつんしちゃった」っていうのもありましたね(笑)

高瀬:そうです(笑)切りすぎました。

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――切りすぎましたっていう話もありましたけど、髪型とかをチェンジする時の心境の変化っていうのはいつもどういう時に起こるのですか。

高瀬:きっと新鮮な気持ちを取り入れたい時なんでしょうね。私が一番最初に変えた時は、自分が新人時代で、泥臭く頑張りながらも、でも勝てない。「がんばれ!高瀬みゆき」っていうのから、「いちプロレスラーとして、選手としてしっかりしたんだ!」っていうイメージに変えたくて、今までの自分を捨てるイメージで全部ばっさり切りましたし、カラーも変えて、コスチュ-ムも初めて変えて、やりましたし。その後はずっと髪の毛が短かったんですよ。ショートが気に入って短くしてたんですけれども、今回で言えばフリーランスになるということで、今まで「私こそがプロレスラー」ってガツガツやってたところから、でも女性としても魅力的だぞ(笑)っていうのを出すために、今はロングヘアでいようと。

――今、そういう時なんですね?

高瀬:そういう時なんです。そういう気持ちになりました。話してて(笑)

――とても似合ってます。

高瀬:ありがとうございます(笑)

――女性らしい元気のあるっていう部分ではとてもいいと思います。ちょっと切りすぎたっていうのは、一瞬心配にはなったんですけど(笑)

高瀬:本当に。でも旧姓・広田さくら選手に言わせると「切りすぎたんじゃない」と。「まだ長いんだ」と(笑) 「もっと切ればいいんじゃない?」っていうアドバイスはいただきました。そのアドバイスは一応心の隅にとどめて伸ばしているんです(笑)

――広田さんは本当にユニークな方で独創性が高く、アーティストタイプの方ですよね(笑)

高瀬:そうです。確かに広田さんは今すごく前髪が短いですし、その師匠は娘のメグリちゃんがそうなので(笑)

――うちの編集部にも遊びに来てくれて娘とも遊んでくれました。

⇒次ページ(アクトレスガールズ時代の思い出)

【アクトレスガールズ時代の思い出】

――そして去年の最後にアクトレスガールズの活動終了という形になりましたが、アクトレスガールズ時代の思い出っていっぱいあると思うんですけど、思い起こして「これが結構印象深かったな」っていうのって何かありますか? いっぱいあるでしょうね。

高瀬:めちゃめちゃありますね。今っていうならば、最後まで残ってたメンバーということだと、やっぱり多恵さんとSAKIさんとの思い出は外せないかなと思いますね。私は本当に、おそらく結構いろんな人は分かってると思うんですけど、アクトレスガールズの中では本当に生意気な後輩だったんですよ(笑) おそらく、厳しいプロレス団体に入ってたら、すごい絞められてたんじゃないかっていうぐらい、自己主張も激しかったですし。自分の目的に向かってガンガン…。

――ひた走っちゃう(笑)

高瀬:ひた走ってました。もう代表の意見も聞かず突き進んで、代表にもアタックしてましたから。「練習させろ!」と(笑) 「出稽古行かせろ!」みたいな感じでアタックしてましたらから。なので、そんな中で、おそらく先輩たちは、とんでもないやつが来てしまったと思ってたと思うんです。実際にご本人たちから聞いた話では、一時期、バンド活動をアクトレスガールズがしてた時がありまして、初期からいるメンバーのグループと後輩たちのグループとみたいな感じでやってた時、それぞれの練習をするじゃないですか。その時に、ぽっと先輩たちの間で私の話題になって、「みゆきはさ、ほんとにさ…」みたいな。「ほんと生意気だし、言うこと聞かないし、何でもかんでもTwitterでもバンバン誰彼構わず攻撃するし。ほんとにさ…どうしようもない。困った」みたいな。「だけどさ、言うだけのことやってるから言えないんだよね」で終わりで(笑)

※AWGシングル王座も獲得

――それって、すごいうれしいですよね。逆に。

高瀬:そうなんです。結局いい方々なんですよ、みんな先輩が。なので、私は恵まれてたんですよね。でも、そんな感じでやってる中で一番反応したのが、私は多恵さんだと思ってまして。私は人が練習する・しないは、あまりどうでもいいんですよ。「練習しなよ」とは言いますけど、やる・やらないは自己責任なので。「私はバリバリやるよ」と。もちろん練習する人がうまくなるっていう、これはプロレスのすごくいいところなんですけど。努力が目に見えるっていうのがある中で、ある日から多恵さんがすごく変わったんです。ずっと、決まった受け身が苦手で、なかなかできないっていうのを1年ぐらいずっとやってたのが、ある日急にきれいに取れるようになっていたり、試合の体力がすごく持つようになったり、自身のアピールや見せ方が変わったりっていうのがやっぱり分かるんですよね。アクトレスガールズの練習だけでは絶対できない、みんなと同じことをやってたら飛び抜けることはできないので、明らかに変わった時、「この人はおそらく陰で努力をしだしてるんだ」と思って。目に見えるようになったのが多恵さん。でも、多恵さんって、やっぱり女優さんなので出さないんですよ(笑)

――(笑)そういうのを出さないんですね。

高瀬:一切出さないんですよ。いいところでもあるんです。いつもにこにこして、みんなのことを考えてくれてるリーダー的存在なので。私のようにバチバチしてても、みんなバラバラになっちゃいますから。まとめてくれる存在なので、わざと絶対に出さないんだけど、やっぱり心の中には闘志をすごく持っていて。女優も闘いの場なので、そういう「負けたくない」っていう気持ちは人一倍、たぶんおそらく強いんですよね。それをちゃんと陰で努力して。でも、みんなのメンタルケアもしながら自分の努力もしてるっていうのが見えた時には「この人はすごいな」って。

――ご自身にとっても、かなり刺激になる存在だったわけなんですね。

高瀬:はい。それが勘違いじゃなかったと分かったのは最後にサオリさんが抜けた後だったかな、シングルベルトのトーナメントの準決勝で、大阪で多恵さんとシングルマッチをした時に、私はすごく楽しかったんですよ。別にいい・悪いではなくて、今までアクトレスの選手とシングルマッチをする時に、自分が一切気を遣わずに全てをなげうってぶつかって楽しいって思えることって正直なかったんです。でも、多恵さんとのシングルマッチはすごい楽しかったので、そこで私はマイクで多恵さんに謝りました。「今まで生意気ですいません」と(笑)認めたんです、私は。認めた…なんでそんな上からなの!?なんですけど、後輩のくせに上からで、すごい失礼なんですけども、多恵さんの努力を認めたし、素敵な選手、素敵な先輩だと思って、これから一緒にこの人と頑張っていきたいと思った事は、やっぱり多恵さんとの思い出の中では一番心に残ってますね。

ーーそういう試合の中で理解し合えることっていうのが、高瀬さんの中ですごくあったんですね。

高瀬:はい。青春です(笑)

――青春、いい言葉ですね(笑)

※第2弾に続く(近日公開)

インタビュアー:山口義徳(プロレスTODAY総監督)

▼高瀬みゆき

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