渡辺王将、藤井四冠熱戦へ 大田原できょうから王将戦第3局

王将戦第3局に向け、健闘を誓う渡辺王将(左から2人目)と藤井竜王(中央)=28日午後、大田原市黒羽向町のホテル花月

 29日から大田原市で行われる将棋の第71期ALSOK杯王将戦7番勝負第3局を前に28日、会場となる同市黒羽向町のホテル花月で歓迎セレモニーが行われ、4連覇を目指す渡辺明(わたなべあきら)王将=名人・棋王と合わせ三冠=(37)と、開幕2連勝中で、史上最年少五冠が懸かる藤井聡太(ふじいそうた)四冠=竜王・王位・叡王・棋聖=(19)が意気込みを語った。

 今局は毎日新聞社、スポーツニッポン新聞社、日本将棋連盟が主催し、大田原市、下野新聞社が後援。新型コロナウイルス感染急拡大で前夜祭は2年連続中止としたが、関係者約20人で歓迎セレモニーを開いた。

 17期連続開催を迎え、津久井富雄(つくいとみお)市長は「市民を代表し、心から歓迎したい。2人の歴史の中で、この後も先もないほどの頂上戦が繰り広げられることを期待している」とあいさつ。続いて2人に地元協賛のJAなすのからイチゴなどの記念品と花束が贈呈された。

 渡辺王将は「第2局は内容も結果もいいところがなかった。頑張ってやっていくしかない。大田原は7回目。イチゴなど名産をおいしくいただきながら対局に臨むのが楽しみ。全力で頑張っていきたい」と述べた。

 藤井四冠は「初めて訪れることができ、うれしい。大田原は那須与一(なすのよいち)ゆかりの地。私は弓矢を打つことはできないが、扇の的を射るような与一の集中力を見習って対局に臨みたい。熱戦にできるよう全力を尽くしたい」と話した。

 対局は29、30の両日とも午前9時から同ホテルの5階特別室で行われる。

© 株式会社下野新聞社