長崎県知事選 自民県連 会長と幹事長対立 党員宛て文書巡り

 来月3日告示の長崎県知事選で、自民党県連会長の古賀友一郎参院議員(長崎選挙区)と幹事長の山本啓介県議が、党員宛ての会長名の文書を巡り対立している。古賀氏は「私の許可なく無断で作成、発送された」と主張。山本氏は「手続きに瑕疵(かし)はなく、文面の事実関係にも間違いはない」としている。
 古賀氏が無断で作成されたと主張するのは、県連が推薦する新人で医師の大石賢吾氏(39)との政策協定締結の報告と、大石氏のリーフレットや後援会入会申込書などの送付案内の文書計2通。
 古賀氏は党員に手紙を送付。文書を破棄するよう求め、自身が関知しないまま政策協定を作成されたとして「今後、知事選に関する私名義の文書は発出しない。くれぐれもご留意ください」としている。
 これに対し山本氏は「大石氏の推薦は県連で機関決定し、推薦状への会長名記載と幹事長による大石氏への手渡しを古賀氏は了承した」と説明。「その流れの中で政策協定を締結し文書を通知した」としている。
 県連内には大石氏の推薦に反発し、現職の中村法道氏(71)を支援する動きがある。このことが古賀氏と山本氏の対立の背景にもあるとみられる。ある県議は「大石氏の推薦は承認していない。古賀氏の手紙は当然」と話す。
 古賀、大石両氏の後援会長で県医師連盟の森崎正幸委員長は28日、長崎市内で記者団の取材に応じ「党員からは古賀氏の手紙に評価と憤慨の両方あると思う。だが看過できない問題なので、私を含めみんなで考えなければならない。古賀氏には大きな心で党内をまとめてほしい」と述べた。


© 株式会社長崎新聞社