江戸時代からの歴史があるとされる、日南市・鵜戸神宮への奉納米「御供上米」を入れる俵編みは18日、同市南郷町の南郷公民館であった。中央町自治会(本田宏二会長)の15人が参加。同時に奉納する同市風田の風田営農支部(伊知地宗広支部長)も23日、10人が作業を行った。
かつて海だった中央町一帯は1650年ごろに松田堤が築かれ、稲作が可能になったものの、高潮や塩害に苦しんでいた。同じ悩みを抱えていた風田地区とは庄屋が兄弟同士で、一緒に米を奉納すると塩害が治まったという。文献などは残っていないが、約350年の伝統があるとされる。
中央町では、もち米のわらを束ね、「俵編み機」でござの状態に編んで丸いふたをするなど、約3時間かけて2俵を作製。精米したもち米75キロを入れた。
風田はもみ付きのもち米3俵約120キロを、2月1日の例祭に奉納する。例年は両地区の住民が同神宮で歌合戦などの交流会も実施していたが、コロナ禍で昨年に続いて今年も中止した。
本田会長(69)は「みんなの協力で祈りを込めながら美しい俵が出来上がった。伝統を大切に受け継ぎたい」、伊知地支部長(65)は「俵は参拝客からも珍しがられており、伝統が途切れないよう後継者を育てたい」と話していた。
豊作願い米俵編み 中央町、風田地区住民ら
- Published
- 2022/01/29 19:24 (JST)
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