張本智和「自分では想像できなかった」 不調乗り越え森薗とのペアで準優勝<全日本卓球2022>

<2022年全日本卓球選手権大会(一般・ジュニアの部) 日時:1月24日~30日 場所:東京体育館>

29日、全日本卓球選手権は6日目を迎え、男子ダブルス決勝に戸上隼輔/宇田幸矢(明治大)ペアと張本智和(木下グループ)/森薗政崇(BOBSON)ペアが登場。張本/森薗ペアは2-3で敗れ惜しくも準優勝となった。

試合後、張本・森薗が報道陣の質問にオンラインで答えた。

張本智和・森薗政崇インタビュー

写真:張本智和(木下グループ)/森薗政崇(BOBSON)/撮影:ラリーズ編集部

決勝を振り返って

森薗:世界選手権でも負けたペアで、その時とほとんど試合展開・内容が一緒で、最初リードして中盤以降相手の調子が出てきて捲られてしまうパターンだったので、あの時こうしておけばよかったって思う戦術がたくさんあったのですごく悔しいです。

張本:森薗さんが言った通り、前回も今回も逆転負けで、特に今回は2-0でもっといいスタートが切れたんですけど、3ゲーム目から意識しながらも簡単なミスが出たり、硬くなってしまった部分はあるので、そこが勝ち切れなかった要因かなと思います。

前回の対戦から変えたこと

張本:普段お互いナショナルチームで練習している同士で、あの手この手が通用しないことはわかってたので、真っ向勝負にいった中で1、2ゲーム目はうまく攻撃がはまって、3ゲーム目からは確実に点を取りたい中で、相手のほうが攻める機会が多かったので、最後まで攻めきれなかったのは意識的に悪かった点かなと思います。

3ゲーム目以降相手の戦い方に変化は感じたか?

森薗:あまりないですね。本当にそれまで通り戦ってますけど、単純に調子が上がってきてそれまでミスってたボールが入ってくるとか、逆にこっちに凡ミスが出ちゃうっていう感じだったので、戦術転換をお互いにしたわけではなく、単純に精神面による凡ミスの量で勝敗が決まったかなと思います。

今後のビジョン

写真:張本智和(木下グループ)/森薗政崇(BOBSON)/撮影:ラリーズ編集部

森薗:中盤以降攻め切ることができなかったっていうのは、単純に強いボール打つ打たないなしに、レシーブでもっとチキータを仕掛ければよかったとか、ロングサーブを出せばよかったとか、相手の意表を突くようなことをしておけばよかったっていう意味で、たくさん練習しないとそういったところは良くなっていかないと思うんで、今後組む機会があれば練習量を増やしたいと思います。

張本:まずは、準決勝を戦えなかった木下グループのペアの分まで背負って戦ったんですけど、先輩に優勝で恩返しじゃないですけど、そういう約束をしていたので、それができなかった悔しさというのはまず一点と。

これからシングルスでの五輪選考が始まってくると思うので、なかなかダブルスの試合の機会はないかもしれないですけど、しっかり男子ダブルスは森薗選手とやっていくっていう気持ちはあるので、ダブルスを組む際はしっかり全力で取り組んで、まずは日本で一番強い宇田・戸上ペアに勝ってから次は世界で活躍できるように、そこが男子ダブルスの最大の目標です。

全日本の総括

張本:初日からの取材で、この全日本にはいい調整をしてきたとは言ってたんですけど、本当のことを言うと全日本の一週間前から練習を再開して、それまでは腰痛がメインですね。

それで年末年始練習できてなかったので、まずは大会に参加できるかわからない状況でここまで、最終日の一歩手前までこれたというのは、自分では想像できなかったです。

一般シングルスでは最低限のランク入り、皆さんからしてみれば、僕も同じく物足りないかもしれないですけど、自分の現状を知っている中ではこれが精一杯かなと思うので、まずは治療してしっかり治して次の選考会に間に合わせるように頑張りたいと思います。

森薗:たくさんのシード選手がコロナウイルスで出場できなくなってしまって、僕のパートはそんなことはなかったんですけど、他のところではランク入り選手もだいぶ変わってきたと思うので、まずすごく寂しいな、残念だなという気持ちはあったんですけど、その中で運営の皆さんが頑張ってくれて、実際に大会を開いて、出場できた選手が全力で戦い合う全日本ってやっぱりいいなと思いました。

僕個人的には結果は良くなかったんですけど、この全日本の雰囲気を感じることで、自分のこれからの卓球人生が豊かになっていくんだなって感じたので、本当に開催してくれてありがとうって気持ちが強いです。

試合後にペアで話していたこと

写真:張本智和(木下グループ)/森薗政崇(BOBSON)/撮影:ラリーズ編集部

張本:試合の反省ですね。世界卓球でも同じように逆転負けをして、3ゲーム目から何が良くなかったのかというのを、自分からは自分が3、4ゲーム目の最初の1球をミスしてしまったことで全体の流れを変えてしまったことが敗因であると森薗さんに説明しました。

自分はそれがずっともやもやしてたので、特にリードした後のゲームの1本目を注意しすぎた分簡単なミスをして落としてしまって申し訳ないということと、後は森薗選手から全体的な反省を話していただきました。

男子ダブルス決勝

写真:張本智和(木下グループ)/森薗政崇(BOBSON)/撮影:ラリーズ編集部

〇戸上隼輔/宇田幸矢(明治大) 3-2 張本智和(木下グループ)/森薗政崇(BOBSON)
8-11/12-14/11-5/11-6/11-7

文:ラリーズ編集部

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