宮大トイレに生理用品 負担に悩む学生支援

女子トイレに設置された生理用品。学生らに好評という=宮崎市・宮崎大清武キャンパス

 宮崎大(宮崎市)は医学部のある清武キャンパスで、女子トイレへの生理用ナプキン無料設置を1月から始めた。生理に伴う負担に悩む学生の支援が目的で、同大学では初の取り組み。設置を前に男子を含めた同学部生に行ったアンケートでは、9割以上が生理用品の設置を「便利だと思う」と回答し、同大学は「タブー視されてきた生理についてオープンに話し合うきっかけにもなる」と期待する。
 生理用品を置いているのは、総合教育研究棟と医学部講義棟の女子トイレ計12カ所で、手洗い場の壁面に生理用ナプキンを入れたかごを付けた。「ご自由にお使いください」と書いた張り紙を添え、誰でも利用できるように配慮。17日から始めており、なくなるたびに職員が補充している。
 新型コロナウイルス感染拡大により表面化した女性の貧困問題で、生理用品を買うのに苦労する女性もいると知った菱川善隆医学部長が提案。菱川医学部長は「生理用品はトイレットペーパーと同様の必需品で、当たり前にあっていい物と考えた」と話す。
 同学部看護学科2年の阿野響さん(20)は「急に必要になることもあるので、本当にありがたい。取り組みがさらに広がってほしい」と期待。事前の学生アンケートでは、283人中30人が「生理用品を入手することが困難な状況がある」と回答。「安心して生活できる」「女子トイレに設置されるととても助かる」など喜ぶ記述も複数あった。
 同大学理事補佐(男女共同参画推進担当)の伊達紫教授は「『すべての人に健康と福祉を』などSDGs(持続可能な開発目標)にも貢献できる取り組み」とし、「今後も誰もが働きやすく学びやすい環境づくりを進めたい」と話している。

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