南武線武蔵中原駅が「神社」に 受験生応援でメッセージ 手作り鳥居やお守り配布も

手作りのだるまを手に、受験生に向けた応援メッセージの前に立つ福重さん=JR南武線武蔵中原駅

 「心を燃やせ!」「最後まで諦めるな!」。受験シーズンを迎える中、JR南武線武蔵中原駅構内に駅員と近隣店舗の従業員のメッセージが並んだ。「武蔵中原神社」と銘打ち、駅員手作りの鳥居や、利用客が絵馬を結ぶ絵馬掛けを新設、合格祈願お守りも配布し、受験生にエールを送っている。

 駅職員の23枚に加え、各店舗からのメッセージカード35枚が掲げられたのは今月14日。「最後の1秒まで 全力で」「試験合格できますように。応援しています」。駅員、店員がさまざまなポーズを取る写真とともに応援の言葉が並ぶ。

 駅員が木材で作った絵馬掛けには「私も昔受験生だった! だからキミも大丈夫」「みんなに合格してほしい!」と利用客から受験生に向けたエールも書き込まれている。

 同駅は人口増が続く川崎市中原区にあり、中高生が多く利用する。昨年も受験生に向けて応援メッセージカードを掲げた。取り組みを報じた神奈川新聞の記事を見た受験生から「励まされた。活力になった」と手紙が届いたほか、駅直結のショッピングセンター「ビーンズ武蔵中原」からも「受験生を応援したい」と申し出があり、今年は合同で準備した。

 絵馬掛けと駅員手作りのだるまの横には電車乗務員室の扉に使う「滑り止め」を貼り、「合格」と「五角」を掛けた五角形のお守りも配布中だ。制作した駅員の中尾太郎さん(43)も高校時代、通学時に「頑張れ」と書かれた横断幕に勇気づけられたことを振り返り、「新型コロナの感染が2年も続く中、頑張ってきたことを発揮してほしい」と話す。

 駅員の福重翔斗さん(30)も高3の時、受験生を励ます掲示物を駅で見て感激し、「挑戦の成功を、武蔵中原駅全体で祈る」と、昨年から応援企画を始めた。

 松本綾(りょう)駅長(46)は「コロナ禍で人と接することができない中、人と人の温かさを結んでいきたい」と願いを込めた。展示は3月末までの予定。

© 株式会社神奈川新聞社