【追う!マイ・カナガワ】コロナ後遺症(上)長引く息切れ、めまい「常にふわふわ宙に浮いた感じ」

新型コロナの後遺症

 「後遺症患者は感染者と違って支援が不十分。療養が終わればそこから先は自己責任なのでしょうか…」。新型コロナウイルスの感染症の後遺症に悩まされる患者からの投稿が「追う! マイ・カナガワ」取材班に寄せられた。感染拡大の波が繰り返されるとともに後遺症患者も増加する中、急拡大する新たな変異株「オミクロン株」が追い打ちをかけかねない。後遺症に苦しむ患者と、対応を模索する現場を追った。

 食欲不振、不眠や倦怠(けんたい)感、息苦しさ…。感染から時間が経っても症状が続いているという。横浜市内の病院で後遺症治療を受けているという投稿者は「後遺症の治療にお金がかかって大変」と訴えた。

 後遺症の治療を受けても回復する見込みは少なく、治療費がかさんでいったという。入院中や療養中のコロナ患者の医療費は全額公費でまかなわれるが、後遺症の治療は一般の診療と同じく自己負担が生じる。「コロナ後遺症を認めてもらい国からの治療費負担や障害認定につながれば」と望んでいる。

◆「ばい菌扱い」

 「感染後、常にふわふわ宙に浮いた感じで、力が出ないんです」。同じく後遺症に悩まされているというさいたま市の女性(34)にも話を聞いた。

 昨年1月に感染し、2月に保健所の指示で自宅療養を終えて職場に復帰したが、後遺症とみられる症状は治まらなかった。

 異変に気付いたのは復帰早々の通勤時。自宅から最寄り駅までの間、毎朝駆け上がっていた階段を上ると息切れやめまいに襲われた。片道30分の道のりに1時間以上かかり、遅刻を重ねてしまった。

 何とか職場にたどり着いても「本当の苦痛はそこから始まりました」。データ入力でミスが相次ぎ、その都度上司から「こっちも困るよ」ととがめられた。休暇を取っても回復せず、同僚には距離を置かれ、手に取った文房具に何度も消毒液を吹き付けられた。

 「“ばい菌扱い”されたことがとにかくショックで…」。2人の子どもを養うため2年前に契約社員として入社した会社を退職する道を選んだのは、復帰からわずか半年後のことだった。

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