ニッサンe.ダムス、フォーミュラE開幕ラウンドに苦戦も「このレースに不満はない」とギュンター

 1月29~30日にサウジアラビアのディルイーヤで開催された2021/2022年ABB FIAフォーミュラE世界選手権“シーズン8”の開幕ラウンドで、唯一の日本メーカーとして参戦しているニッサンe.ダムスは第1戦、第2戦ともポイントを獲得できずに苦戦を強いられた。

 シリーズ開幕から8年目となる2021/22年シーズンは史上最多16戦の開催が予定されているフォーミュラE。今シーズンは予選の方式が大きく変わり、1対1での“デュエル”対戦方式が採用されるほか、マシンの出力も200kWから220kWに上昇し、より激しいバトルが期待される。

 そんなシーズン8の開幕戦でニッサンe.ダムスは、第1戦の予選で今季からチームに加入したマキシミリアン・ギュンターが9番手につけるも、エースのセバスチャン・ブエミは21番グリッドに沈んでしまった。決勝でも追い上げは叶わずギュンター12位、ブエミ17位でのフィニッシュとなった。

 翌日に行われた第2戦の予選ではギュンターが14番手、ブエミ15番手となり、続く決勝でもブエミ13位、ギュンター14位と、両レースともポイント圏外での完走に終わっている。

 この結果にブエミは、「全体的には悔しい週末になってしまったが、第2戦のレースでは、第1戦のレースの弱点がかなり改善されたと思う」とニッサンe.ダムスのリリースにコメントした。

「第2戦は、ほかのライバルたちとの戦いを楽しむことができた。残念ながら上位のグリッドからスタートすることはできなかったけれど、ペースは良かったので、これからさまざまなデータを分析し、より速く走れるよう次戦メキシコのレースに挑みたいと思っている」

セバスチャン・ブエミ(ニッサンe.ダムス)

 そしてニッサンe.ダムスでの初戦を終えたギュンターは、「2戦目は下位グリッドの14番手からスタートだった。ホイールスピンも起こしてしまったが、その後はうまくコントロールすることができ、初戦より改善できたと思う。決勝ではさらにマシンのフィーリングが良くなり、エネルギー効率も良くなったからペースも上がった」と振り返った。

 ギュンターは続けて「残念ながら、ほかのマシンと十分な距離がなかったからオーバーテイクはできなかった。しかし、このレースに不満はない。これは正しい方向への一歩だが、これがプロセス(過程)であることを受け入れる必要がある。チームの目指している方向はしっかりしているし、自分たちが何をすべきかは理解している」と語った。

 また、ニッサンe.ダムスのチーム監督を務めるグレゴリー・ドリオも、レースは「期待していた結果ではなかった」とコメントするも、マシンに関してはポジティブな手応えを掴んだようだ。

「特に初戦はグリップレベルを把握するのに予想以上に時間がかかり、パフォーマンスに影響が出てしまった。しかし、第2戦ではペースが上がったように、マシンのセットアップの方向性は正しかったと感じている」

 開幕ラウンドを終えてチームランキング9位、ドライバーランキングではギュンター15位、ブエミ17位につけているニッサンe.ダムス。第3戦以降の巻き返しに期待したい。

マキシミリアン・ギュンター(ニッサンe.ダムス)
セバスチャン・ブエミ(ニッサンe.ダムス)
ピットレーンを走行するニッサンe.ダムスの2台

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