現在フリーランスのプロレスラーとして活動中の高瀬みゆきのインタビュー第2弾。
第1弾では、現在の活動状況、欠場期間やコロナ禍の過ごし方、アクトレスガールズ時代の思い出などを語ってもらったが、第2弾では、女優+Youtuberの女Utuber(ジョユーチューバー)とは?、小林香萌選手と共にエンターテイメント集団チーム・YOLOとして活動、元気の源は何?、気になる選手、理想のレスラー像などについてをお届けします。
《第1弾》青春時代を過ごしたアクトレスガールズ、そしてYOLO始動!溢れる元気でプロレス界を駆け抜ける!!
【女優+Youtuberの女Utuber(ジョユーチューバー)とは?】
高瀬みゆきのYouTubeチャンネル
ーーアクトレスの青春時代を過ぎ、そして女優プラスYouTuberという形で、「女Utuber(ジョユーチューバー)」という造語をつくってらっしゃったと思いますけども、この辺は今はどういう活動をされてるんですか?
高瀬:今は、女Utuberとしての活動はもう一切…どこかへ行ってるんですけれども(笑)、Youtubeもやってないですし女優活動も…去年ちょっと舞台は出ましたけど、ほぼやっていないので、どこかに行っているんですけれども。そもそもはプロレスをやる前の女優をずっとやってた時にいろいろ思うことがあって、所属してた事務所を抜けて、自分でいろいろやりたいと思って調べたらYouTuberっていうものがあるぞと。これを思ったのは10年ぐらい前なので、まだヒカキンさんが有名になりだしたぐらいの時で。「Youtubeだったら自分で番組を持てるし、テレビ番組を持ちたいっていう夢がYoutubeだったらかなうのかな」と思った時に、女優としてYouTuberをやろうと。そこでドラマをやったりとか劇団を持ったりしたらおもしろいんじゃないかと思って、「女Utuberやります!」って言って活動してたんですね。そしたら活動して2~3か月でプロレスに出会った(笑)
――もうプロレスをやりだしたら、そっちの時間の比重がどうしても多くなりますもんね。
高瀬:プロレスをやる時にやっぱり見るじゃないですか。プロレスをそれまで本当に知らなかったので、勉強したりいろんな試合を見に行った時に、これは生半可な気持ちでは絶対できないと。だから、全てのものをやめて24時間、睡眠時間はありますが、プロレスに費やそうと思って、Youtubeもやめましたし、女優の案件がその時はまだあったので受けるのもやめましたし、何ならアルバイトもやめたんですね(笑)
――思い切りがいいですね(笑)
はい(笑) 全部やめました。全部やめて、毎日、坂口代表に連絡をして、「今日はどこでトレーニングしてくれますか?」、「今日はボクシングジムですか?」、「今日は区のジムですか?」、「今日はどこ?」、「今日はどこ?」って毎日連絡して、毎日練習というか、トレーニングをしてました。
――思い立ったが吉日という、バーッと突っ走るタイプですよね(笑)
高瀬:そうですね(笑)
【小林香萌と共にエンターテイメント集団チーム・YOLOとして活動】
――そういう高瀬さんだからこそ、多くの人を魅了するようなことができるんだと僕は思っております。そして、小林香萌選手とともにエンターテインメント集団チームとして、YOLOとしての活動というのが始まりました。YOLO、これの意味は何でしょうか。
高瀬:これは、「人生一度きり」という意味でして、まさにぴったりだなと思うんですけど。香萌さんが見つけてきてくれた名前なんです。私も香萌さんもちょっと考え方が似てるのは、「今しかできないことを全力でやりたい」と。それはそもそも…だって、今この瞬間に出会っていて生きている人生っていうのは一度きりであって、だいたいの方は、それこそ躊躇すると思うんです。「こんなことやって大丈夫か」とか、プロレスをやる時も「痛いんじゃないか」とか「怖いんじゃないか」とか迷う方が多いと思うんですけれども、(その中でも)大きな理由となるのが、「こんな年齢から、もう始められない」って思ってる方も多いんですよね。でも、今生きてる人生の中で、今この瞬間が一番若いんですよ。だから、やるんだったら今やるしかないでしょっていうのが香萌さんとよく話すことでして。だから、そういう思いで、いろんな活動を今挑戦していく!それができる集団としてやりたいなっていうのでYOLOと名付けております。
――2022年はもしかしたらいろいろと発表できることがこの先出てきそうな感じなんですかね。
高瀬:そうですね。
――それを皆さんに「お楽しみください」、「ちょっとお待ちください」という感じですね。
高瀬:そうです。おそらくたぶんこの2人だけではなく、いろんな人を巻き込んだりとか、みんなと協力しながら…みたいなこともやっていくと思うので、香萌さんと私を中心に注目しといてもらえたらうれしいなと思います。
――小林香萌選手は、今現在欠場中ではあるんですけども、またいつかマット界に戻ってくるっていう部分でも楽しみにしたいなと思っております。
【元気の源は何?】
ーーそして高瀬選手の元気の源は何ですか?例えば落ち込んだ時どうやって復活しているのか、その辺りはいかがですか?
高瀬:まず大前提として、私はある決め事をしていまして、「落ち込むのは5秒間」と。
――めっちゃ短いですね(笑)
高瀬:はい(笑) 落ち込むのは5秒間と決めてる。
――5秒しかないんですね?
高瀬:5秒です。でも、決めたらできるんです。
――できます!?
高瀬:決めたらできます。ただ、これは私1人で決めたんじゃなくて、香川県で役者の活動をしていた時…。
――2013年ですかね。
高瀬:はい、そうです。その時に、私の仲良かった相方にキャサリンという役者さんがいまして、その子がよく言ってたことなんですけれども。その子といつも活動していて、やっぱり失敗したりとか落ち込むことがあるんですけど、そうした時には「今から5秒間だけ落ち込む。5秒経ったら引き上げて」って言って…(落ち込む)ってなって、5秒経ったらピッて起こしてもらうってことをやってたんですよ(笑) でも、そしたら本当に、もう5秒落ち込んだから落ち込む時間は終わりだと。だから、これからは落ち込むんじゃなくて、反省したり前を向いて進もうっていうふうに気持ちが切り替えられるようになっていったっていうのは大きいと思います。
――そういう習慣づけみたいなものを自分の中で見つけ出したってことですね。
高瀬:そうですね。
――他の人も自分なりの習慣を見つけるっていうことはやっぱり大事なんですね。
高瀬:大事だと思います。例えば、私みたいに決めるっていうのもそうですし、それまでは私はやっぱりお笑いをよく見てたので、どれだけつらいことがあっても、お笑いを見てフッて笑ってる瞬間って忘れてるんです。その一瞬だけだけど。なので、そうやって無意識に忘れられるものを見つけて、そこに集中するっていうのもいいと思いますし。
――じゃあ、メンタルはわりと強い方ですか?
高瀬:って言われるんですけど、自分では弱いと(笑) 自分ではか弱いと思って、一応生きてはいるんです(笑)
――でも、5秒で回復するっていうと、超回復だと思うんですよね(笑)ビックリするぐらいのスピード回復だなと思うんで(笑)
高瀬:それは決めてるだけなんです。それ以上落ち込んだらいけないんです。
――食欲不振とかっていうのはどうですか?
高瀬:なったことないです(笑)
――(笑)すごい! さっきもやっぱり「元気があふれちゃう」っていうふうに言ってたから。それをファンの皆さんに、そのあふれた分を…。
高瀬:そうです。ちょっと持って行ってもらう(笑)
――それは本当にすごいことだと思うんですよね。尊敬します、本当に(笑)
高瀬:いやいや(笑)
――これからもそのパワーをいろんなファンに届けていってもらいたいなと思ってます。
高瀬:はい、分かりました。
【気になる選手は?】
――今現在ご自身が気になってる選手って、どなたかいらっしゃいますか?
高瀬:私は常におりまして。でも、挙げだすときりがないんですけれども(笑)私の周りの人は知ってるんですけど、いろんな好きな選手がいる中での、毎年というか、その時の一番のブームの選手っていうのがいるんですよ。その選手を堪能しまくったら殿堂入りしていくんですけども…。
――殿堂入りして、また次の…(笑)
高瀬:はい、ブームが来るんですけれども。
――今のブームは誰なんですか?
高瀬:今、今年のブームは…言っていいんですかね。
――お願いします。
高瀬:岩田美香選手が。
――これはなぜ今ブームなんでしょうか?(笑)
高瀬:いや、もう…かっこよくないですか? あのライオンのような。おきれいじゃないですか。おきれいだしスタイリッシュだし。
)
――“美仙女”と呼ばれてましたから。
高瀬:本当にその通りで。私は初めて知ったのが、橋本さんとのタッグで試合をされてる時に岩田美香さんを初めて知りまして、すごい美しい選手がいるんだなと。たしか新潟かどこかで、同じ興行に出ていらっしゃったんです。試合も見て「うわっ!きれい。かっこいい」みたいなイメージがあったんですね。その後から…。その時はその時の推しの選手がいたので、その選手の試合を特に見ていました。でも復帰されてからの試合を、改めて見たりとか。配信も最近されてるので、いつでもどこでも見られるじゃないですか。そうやって見てる中で、あの美しい選手がリングの上での男気あふれる試合、ガ―ッて叫んでる時の…。
――闘志が前面に出てますよね。
高瀬:髪がライオンみたいになって。眉毛、カッてなってる時のかっこよさ。私とはちょっと違うんですよね。私はどっちかというと獣のような。獣というか、野生感があるんです、私は。「かっこいい」って言ってくれる人も多いんですけど、どっちかというと見た目とか気にせず、もうがむしゃらに戦っていくみたいな、泥を這いずりながら戦うみたいなイメージなんですけど、岩田さんは(どんなにがむしゃらでも)かっこいいんですよ。何か主人公っぽいんですよ。分かりますか?
――なんとなく分かります。当時は、まだか弱さみたいなものが少し残ってましたけど、今はもう完全に強い女性が前面に出てるなというふうに思いますね。
高瀬:はい。あれがかっこいいと思って。
――あとは、やっぱり気が強いですよね。
高瀬:そうですね。
――ストロングハート。
高瀬:そう!ストロングハート。
――ハートが本当にすごい強い。強さが前面に出てるなっていうのが。それはすごく感じますね。
高瀬:いや、最高ですね。
――やっぱりああいうあふれる闘志みたいなものに対するシンパシーみたいなものが湧いているって感じなんですか?
高瀬:湧いております。「ワーッ!キター!」って、試合を見ててテンションが上がるんです。「キタぞー、ライオンか!?」みたいな。
――今、推しなんですね。
高瀬:今、推しです。
――戦う機会とかはこれからどんどんまたあると思いますし。
高瀬:はい、そうです。仙女さんにも参戦させていただけるようになりましたので。どれだけうれしかったか。
――そういう自分が推しの選手と対戦できるようになると、よりパワーが出まくるみたいな感じなんですかね。
高瀬:やはりそういう選手たちとしっかりいい試合ができるように、自分ももっとスキルアップしようっていう刺激になります。
⇒次ページ(理想のレスラー像、高瀬みゆきにとってプロレスとは?、今後の目標)
【理想のレスラー像】
――そして高瀬選手が今目指す理想のレスラー像みたいなものっていうのは、ご自身の頭の中にありますか?
高瀬:この人っていうのはないんですよ。私は高瀬みゆきとして唯一無二のレスラーになりたいので。ただ、今お話しした通り、今までの推しの選手をいつも勉強してるので、初代が一応、山下りな選手なんですけれども、その次推しまくっていたのは松本浩代選手なんですけども、ああいう…。
――パワー系ですね。今のところは。
高瀬:パワフルでなおかつ見てる人が楽しい。はらはらしたりとか応援したくなるとか、その選手を好きになる理由っていろいろあると思うんですけど、やっぱり見てて楽しい。プロレスだし真剣勝負してるけれども、くすっと笑える場面もあったりとか、あと、まじめすぎて、ばかに見えちゃうみたいな。そういう本当にまっすぐな…。
――愛嬌というか。
高瀬:はい。そういう選手がすごく好きなので。自分も器用さはそこまでないので、自分もそういう選手、まっすぐすぎる選手になりたいなと。
――まっすぐすぎる選手、いい言葉ですね。
高瀬:はい(笑)
【高瀬みゆきにとってプロレスとは?】
――プロレスって人生を狂わすものの部分もあると思うんですよね。だけど、それが自分にとってすごくパワーにもなってると思いますし、今この現役期間で思う高瀬選手にとって、プロレスとは何でしょうか?
高瀬:私の中での人生のエンターテインメントですね。生きてることと、ちょっと共通することがすごく多いんですよね。プロレスをやっていると。会社員とか社会人だと、上司に歯向かえなかったりとか、いろんな苦しいことをぐっとこらえて生きてる方が多いと思うんです。それは、働いてなくても主婦の方とかもそうだと思うんですけど。でも、私たちプロレスラーは、リングの上だったら、それをぶち破っていくことができるので、みんなのフラストレーションを自分が代わりにリングの上で戦って発散できるんじゃないかと。それによって元気を与えることもできるし、自分のあふれすぎてるエネルギーもそこで使うことができるし(笑) 距離も近いじゃないですか。目の前で会うことができたりとか。そういうのも、芸能とかアイドル活動とはちょっと違って、私は何かいいなと思ってるんです。プロレスに入って。なのでそういう意味で、みんなと一緒に人生を楽しんでいけるっていうのがすごく素敵だなと思ってます。
――プロレス、めっちゃ合ってますよね(笑)
高瀬:合ってます。
――プロレスと巡り合ってよかったですね(笑)
高瀬:はい、よかったです。本当に(笑)
――しかも今の時代の(笑)
高瀬:そうですね、本当に。本当に今でよかった(笑)
【今後の目標】
――最後に今後の目標っていうのがもしあれば、教えてください。
高瀬:今後の目標は、私は大好きな選手がたくさんいますし、それは選手としてだけじゃなく、人として一緒に仕事をしていきたい、活動していきたいって思う人たちが、香萌さん含めいるので、そういう人たちと横のつながりでつながって、プロレス界だったり、人生をおもしろくしていけたらいいなと思ってます。ちょっとふわっとしていて、今具体的に言えることはないんですけれども。
――もういろいろとプロジェクトは計画中なんですか?
高瀬:計画されておりますので、楽しみにしていただけたらいいなと思っております。
――本日はありがとうございました。
高瀬:こちらこそ有難うございました。
インタビュアー:山口義徳(プロレスTODAY総監督)
▼高瀬みゆき
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