糸魚川市官製談合検討委 再発防止へ提言書提出 入札監視委員会設置など 米田市長に

 糸魚川市官製談合再発防止対策検討委員会(委員長・沢田克己新潟大法学部教授、委員5人)の最終回となる第6回会合が1月31日、糸魚川市大町1のヒスイ王国館で開かれた。沢田委員長が、委員会意見を集約した提言書「糸魚川市官製談合再発防止対策に関する提言」を米田徹市長に提出した。

沢田委員長(左)から米田市長に提言書「糸魚川市官製談合再発防止対策に関する提言」が託された

 提言には、競争力向上のための制限付き一般競争入札の制限緩和、再発防止のための指名停止期間の延長、不正行為抑止のための入札監視委員会の設置、入札不調への対応などを盛り込んだ。同提言と「糸魚川市コンプライアンス行動指針」などの新たな制度は、議会審議や条例制定を経て、新年度から運用される計画。

 同委員会は、官製談合事件の発生を受け第三者組織として昨年7月3日に設置され、計6回の審議を重ねてきた。この間、事業所と職員に対するアンケートを実施、検討資料とした。

 議事では、市事務局が同指針の最終案を説明。コンプライアンス審査会の実施予定などを図表化した「推進年間スケジュール」を示した。委員会として了承した。引き続き市事務局が、同提言の最終案を説明。委員会として了承した。

 最終回に当たり、5委員一人一人が期待や要望を述べた。このうち高橋信行副委員長(弁護士)は「失われた市民の信頼を回復するのは、きょうが新たなスタートライン」と指摘。「市職員の皆さんが指針、提言を実践していくことで二度と同じような事件が起こらないよう、信頼を早く回復してより良い市になることを祈っている」と述べた。

糸魚川市官製談合再発防止対策検討委員会の最終回会合(1月31日、ヒスイ王国館)

 沢田委員長は「(指針と提言の)両方を忠実に守っていけば、官製談合はまずできない」と審議の成果を話し、米田市長に向かい合い、「この提言に基づき、不正行為の再発防止と市民からの信頼回復に向けて、入札・契約制度の改革及び職員コンプライアンス体制の構築に取り組まれることを望みます」と提言書を読み上げた。

 米田市長は「頂いた提言は真摯(しんし)に受け止め、職員の不祥事発生を防ぎたい。再発防止、市民の信頼回復にしっかり取り組んでいく」と誓い、各委員に市発展への変わらぬ尽力、協力を願った。

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