JR川崎駅前の複合商業施設「ラ チッタデッラ」で1月から、各店舗の判断で定休日や閉店時間を早められるよう新たな制度が導入された。新型コロナウイルス禍でアルバイトの確保が困難になったテナントを支援する狙い。
通常、複合商業施設では営業日や営業時間を施設に合わせる必要があるが、各店が定休日を設けたり営業時間を短縮したりするルールを作るのは全国的にも珍しいという。
同施設を運営する「チッタ エンタテイメント」(川崎市川崎区)によると、緊急事態宣言解除後の昨年10月ごろから、テナント各店でアルバイトの退職などによる人手不足が続いているという。
帝国データバンクが同月実施した全国調査では、アルバイトやパートが不足している企業は25%。緊急事態宣言解除により営業時間の制限が段階的に解除された居酒屋など飲食店が特に深刻で、約6割でアルバイト・パートが不足していた。
同年11月に同施設各店へ行った調査では、飲食店の81%が人手不足を訴えた。首都圏の飲食店でアルバイトの取り合いが発生し、「アルバイトがおらず社員が休めない」「朝から晩まで休憩せず働いている」など悲痛な悩みが寄せられた。
そこで同施設では、1月から毎週1日、定休日を設定できるように制度を変更。営業時間の変更も可能とし、飲食は1時間半、物販とサービス業は1時間短縮できるようにした。