北京冬季オリンピック・スノーボード女子ハーフパイプの日本代表、妙高市出身の冨田せな(22、チームアルビレックス新潟)、るき(20、チームJWSC)姉妹がこのほど、全日本スキー連盟のオンライン会見に他の選手と共に応じた。幼い頃から切磋琢磨(せっさたくま)してきた姉妹そろっての出場を実現し、大舞台での意気込みや互いへの思いなどを語った。同種目は2月9日に予選、翌10日に決勝が行われる。(姉妹を2回に分けて紹介します。2回目は妹・るき選手)
―初めてのオリンピック代表に決まって、本番が近づいてきました。今の気持ちは。
まさか、自分が出場できるとは思っていなかったので、すごくうれしいです。今までやってきたことをオリンピックで出せるように頑張りたいと思います。
―(1月8日の)ワールドカップで初優勝しました。
一番は自分がやりたい技を全部出せて、優勝できたことがうれしいです。でもまだまだ上に選手がいるので、ここで喜び過ぎてはいけないなというのはありました。
―技の特長、滑りに自信のあるところは。
女の子の中では少ないバックサイドの900(進行方向とは逆向きに踏み切り横2回転半)を軸にして滑っているので、そこに注目していただきたい。
―姉妹で出られる感想、姉のせな選手の存在は。
お姉ちゃんがいつまで選手をやるのか分からなくて、(オリンピックは)一緒に出る最後のチャンスだったかもしれないので、一緒に出られてうれしいです。同じ舞台に立ったからにはチームでもあり、ライバルでもあるので、追い越していきたいという気持ちが強いです。
―せな選手の滑りの技術をどう感じていますか。
妹とか関係なく見てもかっこいいと思うので、かっこいい滑りはまねしたいです。自分ができる技をしっかりと見てもらい、せなはせな、るきはるきと見てもらえればうれしいです。
―前回2018年の平昌大会は競技会場で見られていました。そこからの思いは。
(2014年の)ソチ大会を見て、すごくかっこいいなと思ったし、自分もかっこいいと思われたいというふうになって、平昌大会を間近で見て、やっぱり選手が輝いて見えました。自分が出る立場になりたいという気持ちが大きくなって挑んでいたので、出場できるようになってうれしいです。平昌大会が終わった後の4年間は、自分の中では成長した年もあったし、けがをしてナイーブな気持ちになった年もあったけど、結果、ここまでこられたので良かったかなと思います。
―姉妹で互いに負けず嫌いのようですが、幼い頃のエピソードは。
リモコンの取り合いとかしか、していない印象です。口げんかの方が多く、だいたいお姉ちゃんが勝ちます。
―JWSC(全日本ウィンタースポーツ専門学校、妙高市原通)でトレーニングしてきたと思いますが、今にどう生きていますか。指導者への思いは。
主には自重トレーニング(自分の体重を負荷にして行う)や、バランス能力を培うためにバランスボールを使うトレーニングをしてきました。完成度が低かった技が立てるようになり、トレーニングが効いてきたなと思います。夏場の練習でグラブ(板をつかむ)が浅かったり、落ち着いて滑ることができなかったりとかする時があったんですが、コーチに一言をもらうだけで心が軽くなりました。こうしたらいいよとアドバイスをたくさんもらい、今それが雪上でできていて、大会で生かせているので感謝しています。
【冨田るき】3歳から父親の影響でスノーボードを始め、保育園年中の時にハーフパイプの大会に出場。妙高小6年でJSBA(日本スノーボード協会)公認のプロ資格を取得。2018年の国体で高校生の部で優勝、2020年の全米オープン3位、昨季の全日本選手権3位。今季は1月8日のW杯で初優勝を果たした。妙高中―開志国際高―全日本ウィンタースポーツ専門学校(妙高市)スノーボード専攻科在学。