労使交渉はわずかに進展 予定通りの春季キャンプ開始は厳しい状況に

日本時間2月2日、メジャーリーグ機構とメジャーリーグ選手会による労使交渉が行われ、過去2回に続いてわずかな進展を見せたものの、合意には至らなかった。依然として双方の主張には大きな隔たりがあり、合意への道筋は見えない状況。今月中旬からスプリング・トレーニング、今月下旬にはメジャー球団同士が対戦するオープン戦がスタートするが、予定通りのスプリング・トレーニング開始は厳しい状況であり、レギュラーシーズン開幕に影響を及ぼす可能性も否定できなくなりつつある。

前回の労使交渉では、年俸調停権を取得する前の選手のサラリー増のためにボーナスプールを設けることが提案された。これに関して、選手会が1億500万ドルを希望していたのに対し、機構側の主張はわずか1000万ドル。今回、選手会は希望額を1億ドルに引き下げたものの、依然として双方の希望額のあいだには大きな乖離がある。

また、機構側はサービスタイム操作の防止策として、トップ・プロスペクトをシーズンを通してロースターに登録しておくことでドラフト指名権を得られるシステムを提案していた。選手会はこのシステムの採用に前向きな姿勢を示しているものの、サービスタイムが1年に満たないルーキーでもアウォード投票の結果やWARの順位によって1年分のサービスタイムを得られるという独自のプランも持っているという。

さらに、選手会はスーパー2の資格の拡大と収益分配金の削減を希望している。ただし、この2点については、機構側は労使交渉の必須事項ではないとの姿勢を崩しておらず、話し合いが進んでいない。他には、最低保証年俸やぜいたく税の課税ラインの引き上げが重要項目とされているが、今回の労使交渉ではこの2点に関する話し合いは行われなかった。

話し合いが必要なテーマが多数存在するにもかかわらず、1つのテーマの小さな項目でしか進展や譲歩が見られないというのが現状。今月中に大きな進展がなければ、スプリング・トレーニングのみならず、レギュラーシーズンの開幕も遅れることになりそうだ。

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