画期的なREDUCE LAP-HF II 試験が、多くの心不全患者でCORVIA(R)心房シャントの臨床的有用性を実証

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【テュークスベリー(米マサチューセッツ州)2022年2月1日PR Newswire=共同通信JBN】
*REDUCE LAP-HF II試験により、心房シャント治療の対象となる治療可能なHFpEF患者群が明確に

心不全(HF)治療の変革に取り組んでいるCorvia Medical, Inc.は1日、左室駆出率が保持された心不全(HFpEF)または左室駆出率が軽度低下した心不全(HFmrEF)患者におけるCorvia(R)心房シャントの安全性と有効性を検討するREDUCE LAP-HF II無作為化臨床試験の結果を発表した。本試験の全体的な結果は中立だったが、本データは、運動時の肺血管抵抗(PVR)が正常でペースメーカーを装着していない患者が、大きな臨床的利益を得られるレスポンダー群であることを示唆しており、心房シャントはHFpEFでの有効性を実証した初の植込み型治療法となった。結果は1日、「Technology and Heart Failure Therapeutics(THT)2022」会議で発表され、主な結果はThe Lancet誌のオンライン版に掲載された。レスポンダー群の分析結果は、まだ発表されていない。

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REDUCE LAP-HF II試験の共同治験責任医師を務めた、ブルーム心臓血管研究所の内科教授兼研究部長でノースウェスタン大学ファインバーグ医学部のHFpEFプログラム部長でもある、Sanjiv Shah医学博士は「複雑で不均一なタイプの心不全を対象とするこの種初のデバイス試験で、われわれは有意な臨床的有用性を示す大きなレスポンダー群候補を特定した。レスポンダーか非レスポンダーかを予測できるというのは画期的で、HFpEFにおける心房シャントの役割に対するわれわれの理解を大きく前進させた」と語った。

REDUCE LAP-HF II試験は、心不全患者を対象に、左房圧(LAP)の低下を通じたHF症状の軽減、HF関連入院の減少、生活の質の向上を目的に、心房シャントを評価した世界初の第III相試験である。米国、カナダ、欧州、オーストラリア、日本の89施設で、計626人の患者が無作為に割り振られた。肺血管疾患(PVD)がなく運動時のPVRが正常で、ペースメーカーを装着していない患者では、偽治療と比較して心不全事象が減少し(患者1人当たり年間件数0.12対0.22、p=0.007)、カンザスシティ心筋症質問票(KCCQ)総合要約スコアによる健康状態の改善に大幅かつ臨床的に有意な差がみられる(+5.5ポイント)など、大きな臨床効果が得られた。(注 1)

メイヨークリニックの内科教授で循環器不全研究部長のBarry Borlaug医学博士は、以下のように付け加えた。
「われわれは本試験以前は、著しいPVDを有する患者が心房シャント治療から恩恵を受ける可能性は極めて低いと考えていた。しかし、侵襲的な運動表現型検査が、患者が心房シャントからメリットを得られるPVDの程度を明らかにする上で重要な役割を果たすことは十分理解していなかった」
「さらに研究が必要だが、適切な患者選択をすれば、心房シャントは、いかなるタイプのPVDもないHFpEF患者にとって素晴らしい選択肢となる可能性がある。REDUCE LAP-HF IIで、運動によって肺血管が正常であることを確認の上、治療を受けた患者は、偽治療の対照群に比べ、HF事象の発生率が低く、KCCQが大幅かつ臨床的に有意に改善するなど、臨床的利益を得る可能性が有意に高かった」

世界には2600万人以上の心不全患者がおり(注 2)、その半数以上がHFpEFである(注 3)ことから、心血管医療で最大の満たされていない臨床ニーズと言われている。コロンビア大学アーヴィング医療センターの内科教授兼心血管インターベンション治療部長でREDUCE LAP-HF II試験の共同治験責任医師も務めたMartin Leon医学博士は「これらのデータは、Corvia心房シャントのみならず、心不全治療に心房シャントのデバイスや手技を用いる現在および将来の試験にも重要な意味を持つ」と語った。

Corvia MedicalのJan Komtebedde上級副社長兼最高医療責任者は「REDUCE LAP-HF IIがHFpEFにおける臨床上の大きなブレークスルーにつながったことを誇りに思う。当社は、この新しい治療法の利用を拡大するため、臨床顧問や規制当局と緊密に連携している」と語った。Corvia MedicalのGeorge Fazio最高経営責任者(CEO)は「Corvia Medicalは過去12年間、恩恵を受ける可能性のある何百万人もの心不全患者に心房シャントを提供すべく取り組んできたが、その使命の達成に大きく近づくことができた」と付け加えた。

▽心不全について
心不全(HF)は、世界中で約2600万人が罹患している慢性疾患である。2030年までに、その数はほぼ50%増加し、3800万人近くになるであろう。心不全患者の半数以上はHFpEF/HFmrEFで、その数は人口の高齢化やその他のリスク因子によって増加している。こうした患者は、心臓から送り出される血液の割合は正常または比較的正常だが、左心房と左心室の筋肉が硬いため、心臓の拡張による十分な血液の取り込みができず、左心室と肺の圧力上昇を引き起こす。HFpEF/HFmrEFは依然、心血管医療における最も大きな満たされていないニーズの1つである。収縮機能の低下した心不全(HFrEF)の治療は大きく進歩しているが、HFpEF/HFmrEFに対する治療の選択肢は限られている。

▽Corvia心房シャント(IASD(R)(TM))について
Corvia心房シャントは、症候性心不全(HF)の患者向けの新しい経カテーテル型インプラントで、心不全症状の主な原因である左房圧(LAP)の上昇に直接対処するよう設計された初めての治療デバイスである。本デバイス(ほぼ10セント硬貨大)は、心血管インターベンションまたは電気生理学的検査の施術者によって、低侵襲の外来治療で埋め込まれる。心房中隔に小さな開口部を設けた後、安静時および運動時に左房圧(LAP)および肺内圧を下げるため、Corvia心房シャントを留置して左房と右房の間に通路を形成する。Corvia心房シャントが目指しているのは、左心房の持続的かつ動的な減圧を促すことによる、HFの症状および生活の質の改善、HFによる入院の減少、HF患者の管理の総コスト削減である。Corvia心房シャントは、症候性HF患者のLAPを低下させる、最も臨床研究の進んでいる心房シャントである。2019年には、食品医薬品局(FDA)の画期的デバイス指定を受けた。Corvia心房シャントは治験用デバイスで、米国内の商用販売ルートでは入手できない。本デバイスは、欧州連合(EU)では販売されている。

▽Corvia Medical, Inc.について
Corvia Medical, Inc.は、新しい経カテーテル心血管デバイスにより、心不全治療に革命を起こしている。2009年に設立され、マサチューセッツ州テュークスベリーに本社を置くCorvia Medicalは、心不全治療の標準治療を変革し、患者が自らの生活を取り戻せるようにするべく取り組んでいる。非公開企業である同社は、Third Rock Ventures、General Catalyst Partners、AccelMed、Lumira Ventures、Edwards Lifesciences、および非公開の戦略的投資家から支援を受けている。詳細については、https://corviamedical.com/ を参照。

▽メディア問い合わせ先
Lisa Ensz
+1 978-654-6120
lensz@corviamedical.com
https://corviamedical.com/newsroom/

(注 1)REDUCE LAP-HF II 12-Month Primary Endpoint Report Addendum, Baim Institute 2022-01-18.

(注 2)Savarese G, Lund LH. Global Public Health Burden of Heart Failure. Card Fail Rev. 2017;3(1):7-11.

(注 3)OOwan TE, Hodge DO, Herges RM, et al. Trends in prevalence and outcome of heart failure with preserved ejection fraction. N Engl J Med. 2006;355:251-259.

ソース:CORVIA MEDICAL, INC