少年野球を始める子どものグラブ選び 専門店のおすすめは「Hウェブ」

野球用品専門店の店長がおすすめする少年用のグラブとは【写真:Getty Images】

「捕れないとつまらない」グラブは野球を続けるかを左右する用具

野球ならではの用具の1つで、競技の象徴とも言えるグラブ。ただ、用品店やインターネット通販には、少年野球用だけでも数えきれないほどの種類が並び、どれを選んでいいのか分からない人は少なくない。野球用品専門店の店長が野球を始める際に選ぶグラブの基準に挙げたのは、「ウェブ」と呼ばれる網目の部分だった。

グラブ選びは、子どもたちが野球を続けるかどうかを大きく左右するほど重要だ。だが、野球経験がない保護者には、どれを選べばいいのか判断が難しい。野球用品専門店「ベースマン」立川店の星徹弥店長は、靴選びと同じように、まずはグラブに手を入れるところから始まると話す。

メーカーによってはS、Mといったサイズや対象年齢を示しているグラブもある。だが、同じ「小学校低学年用」でもメーカーによって見た目も手を入れた時の大きさも違う。子どもは大人より握力が弱いため、重すぎず手に合ったサイズを選ぶことが大切。捕球できないと野球を楽しくないと感じてしまう。

星店長がグラブ選びのポイントに挙げるのが「ウェブ」と呼ばれる網目の部分だ。「ウェブ」のデザインは革や革紐の編み方によって「バスケット」、「ネット」など種類が複数あり、機能も異なる。その中で初心者におすすめなのは、シンプルなデザインで形状がアルファベットの「H」に似ている「Hウェブ」だという。

店頭でも人気の「ハイゴールド」少年軟式グラブ【写真:編集部】

Hウェブのグラブは「子どもたちが扱いやすい」

星店長は「ウェブに革紐の本数が増えるとしっかりボールをつかめるメリットがある一方、グラブに硬さが残ります。ウェブに空間が多いグラブの方が開きやすく、形も崩れにくいので、野球を始める子どもたちには『Hウェブ』が扱いやすいと思います」と説明する。

少年野球用のグラブは比較的柔らかくつくられている。それでも、子どもには硬く感じることが多いため、専門店ではグラブを柔らかくしてクセを付ける「型付け」を行っている。

「ベースマン」では、コンビニエンスストアで中華まんを入れているようなケースにグラブを入れて柔らかくしている。ケースの中は蒸気によって温度が70度くらいに保たれており、3分ほど入れて革の繊維をほぐす。ケースに入れる時間で柔らかさを調整でき、グラブを購入する小学生の9割以上が「型付け」をしているという。

革でできているグラブは劣化し、子どもは手のサイズも変わることから、2年ほどで新しくするのが一般的。小学校高学年になると、強い打球の勢いに負けずに捕球したい、今の大きさでは打球に届かないなど、柔らかさや扱いやすさ以外をグラブに求めるようになるという。グラブの買い替えは成長の証でもある。(間淳 / Jun Aida)

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