画期的だけど本当に使える? ミラーがカメラになったカメラ式サイドミラーを採用するモデル3台

最近のクルマといえば、前後にカメラが付き、アラウンドビューで車両を上から見た図をナビのモニター画面で見ながら駐車するといったシーンも珍しくなくなってきている。そんな中で雨の日などでも車両の周囲が見やすいようにと登場したのがサイドミラーをカメラ式にしたサイドミラーレス車だ。ミラーほど幅を取らないため、車両感覚が掴みやすいといったメリットもあるが、実際に使えるのだろうか。すでにカメラ式サイドミラーを装備するモデルを3台紹介しながら、その使い勝手を紹介していきたい。

レクサス 新型ESマイナーチェンジモデル

1.世界初のカメラ式サイドミラーを搭載したレクサス ES

レクサス ESにカメラ式サイドミラー「デジタルアウターミラー」が搭載されたのは2018年のことだ。5インチのディスプレイに車両左右後方の映像を表示し、右左折時や後退時の死角を低減。室内にディスプレイを配置し視線移動を抑えることで、安全運転を支援する。また、アウターカメラを鏡面ミラーより小型化したことで、斜め前方の見通しも確保した。

レクサス ESにオプション装備されるデジタルアウターミラー

気になるのは雨やバック時の視界だろう。

デジタルアウターミラーは雨の影響を受けにくいカメラ形状とし、照度センサーを設定。自動で輝度調整するディスプレイを採用したことで視認性を確保する。カメラに霜などが付着した場合は、カメラヒーターを作動させることで除去できるという。

ウインカー操作やリバース操作に連動して、表示エリアを自動で拡大させることが可能。また、スイッチ操作で、一時的に表示エリアを拡大することもできる。

遠近感が掴みにくいのが難点だがガイドラインが表示されるようになった

オプション装備だが、まずは「ES300h version L」に、ついでF SPORTにも設定。22万円で用意されている。

2.モニターだらけのホンダ Honda eもミラーはカメラ式!

Honda eの車内は5つのモニターで構成されている。右からサイドミラーモニター、メーター、インフォテインメントが2つ、さらに1番端には左側のサイドミラーモニターといったイメージだ。左右のサイドミラー用モニターは後付感もなく、スッキリとまとめられている。

Honda eのインパネはモニターだらけだ

また、後退時はシフトポジションをリバースにすると、自動で左右の画角を下げるリバースモードに加えて目安ガイド線も表示されるため、ミラーの時と同様に確認しながら使えるというのも魅力的だ。

夜間やトンネル内でも見やすい工夫がなされている

3.バーチャルエクステリアミラー仕様は19万円高い! アウディ e-tron

小型カメラにより車両側方の視界を確保するアウディ初のバーチャルエクステリアミラーは、ピラー下端ではなくダッシュパネルとドアとの間に設置されたOLEDディスプレイに映像を表示。

明るさや最適な視角へと調整が可能なことに加え、標準のドアミラーに比べてミラーハウジングがスリム化することで空気抵抗を低減しCD(空気抵抗係数)は0.25、高速走行時の風切り音も低減される。

アウディ e-tronのバーチャルエクステリアミラー

e-tronのバーチャルエクステリアミラーの特徴はサイドウインドウから外の現実の様子も同時に視界に入ることだ。そのため、カメラ式サイドミラーならではの違和感は少なく、画面と現実とを両方同時に確認できるのが良い。

他のモデルと違ってダッシュパネルとドアの間にディスプレイが置かれている

価格はオンライン限定で50台が先着販売されたアウディ e-tron Sportback 1st edition(1327万円)に比べて19万円高い1346万円となる。

まだまだ過渡期! 技術進歩によってさらに高性能なカメラも登場しそうだ

ESの初期モデルは画面がチラつき目が疲れるという人もいたようだが、最近のモデルに採用されるカメラやモニターは夜でも昼間同様に使えるものも増えて来ている。

まだまだ過渡期のカメラ式サイドミラー。なかなか普及が進まないが、技術をさらに高めて復活する日は近いだろう。気になっている人はぜひ試乗して使ってみて欲しい。

【筆者:篠田 英里夏(MOTA編集部)】

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