復興住宅入居者の収入要件緩和へ 現役世代を呼び込む試み 宮城・石巻市

震災後に建設した復興住宅の空き家を有効活用するため、宮城県石巻市が3月から一部の地区で入居者の収入要件を緩和します。

収入のある現役世代を人口減少が進む地域に呼び込む試みで、県内では初めてです。

石巻市が収入要件を緩和するのは雄勝、北上、牡鹿の3地区です。

被災者ではない人が復興住宅に入居する場合、通常は世帯の月収が15万8000円以下との要件がありますが「みなし特定公共賃貸住宅」という制度を適用し、3地区に限って月収48万7000円以下まで緩和します。

家賃は月収に応じて4段階で設定され、地区や間取りによって異なりますが、例えば、戸建ての2LDKの場合、月額で3万6000円ほどから5万6000円ほどになる見通しです。

震災から11年を迎える復興住宅では、入居者が亡くなったり高齢者施設に移ったりして退去が相次いでいます。

石巻市では2019年3月から被災者以外の困窮者に対象を広げて入居者を募っていますが、地区によっては応募がなく長く空き家となる物件も出てきています。

一方で、これらの地区には民間の賃貸物件がほとんどなく、移住希望者らの住まいの確保が課題となっていました。

収入要件を緩和する「みなし特定公共賃貸住宅」は岩手県陸前高田市の復興住宅でも導入されていますが、県内では初めてです。

© 株式会社東日本放送