キャンプの聖地「じか火」禁止へ 集客の売りも、一部利用客のマナー違反に苦情

4月からのじか火禁止を予告する看板(笠置町笠置・笠置キャンプ場)

 京都府笠置町の笠置キャンプ場を運営する町観光協会は、4月から場内での「じか火」を禁止にする。後片付けなどで一部利用客のマナーに反する行為が美観を損ねているといい、同協会は「売りの一つになっていたが、良い環境づくりの一環として禁止に踏み切る」としている。

 木津川河川敷にある笠置キャンプ場は年間約9万人が訪れ、「キャンプの聖地」と呼ばれるほどの人気スポット。料金が安く、キャンプ場では珍しく地面の上で直接火を起こすじか火でたき火ができることも集客の理由だった。しかし、一部の利用客に「灰を片付けない」「家庭ごみを燃やす」といったマナー違反があり、常連客らから苦情が寄せられていた。

 このため、じか火を控えるよう呼び掛けてきたが、春シーズンを前に全面禁止を決定した。たき火台などは引き続き利用できる。

 同協会の職員は「99%の人はちゃんと利用してくれている」と前置きしつつ、「管理するスタッフの負担や、芝生や地面への影響なども考えた。整備された他のキャンプ場は禁止にしているので時代に合わせたい」と話した。

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