元祖メンバーの“孫”が幽霊退治!『ゴーストバスターズ/アフターライフ』 遺伝子受け継ぐ”ヤング”ライトマン監督によるオマージュ満載

『ゴーストバスターズ/アフターライフ』

まさに遺伝子継承! 息子ライトマン監督作

歴史に残るホラーコメディ、なんていう枕詞も不要な名作『ゴーストバスターズ』シリーズ(1984年/1989年)の続編、その名も『ゴーストバスターズ/アフターライフ』がついに公開となる。あまりにも高すぎるファンの期待に応えたのは、前2作の監督アイヴァン・ライトマンの息子であり、『JUNO/ジュノ』(2007年)や『マイレージ、マイライフ』(2009年)、『ヤング≒アダルト』(2011年)などを手掛けてきたジェイソン・ライトマンだ。

『ゴーストバスターズ/アフターライフ』

そんなこともあって本作は“正統な続編”などと言われているが、実際ハロルド・ライミスらが構想していた幻の『ゴーストバスターズ3』の延長とも言えるだろう。それはそれで熱心なファンにとっては燃える事実なのだが、多くの映画ファンはただノスタルジーに浸ることを良しとはしてくれない。その点で、主人公フィービーを演じるマッケナ・グレイス(『アナベル 死霊博物館』[2019年]ほか)と、その兄トレヴァーを演じるフィン・ウォルフハード(『ストレンジャー・シングス 未知の世界』[2016年~])の存在が、映画に新鮮味をもたらしてくれている。

『ゴーストバスターズ/アフターライフ』

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特にフィービーは髪型や衣装を含め性別を超えた悶絶モノのキュートさで、年齢からは想像できない演技力もあって、映画の細かいところがどうでも良くなるほどの存在感。また、ポッドキャストと名乗るフィービーの友人のキャラクター造形などはまんま『グーニーズ』(1985年)の“データ”であり、古き良きジュブナイル映画の手触りを目指してしていることもうかがえる。その意味ではフィン・ウォルフハードの存在も大きく、彼が出るから観てみようという『ストレンジャー・シングス』世代は『グーニーズ』との相性も良いはずだ。

『ゴーストバスターズ/アフターライフ』

キャリー・クーンやポール・ラッドら大人キャストの介入を最小限に留め、かつ『ヤングシャーロック/ピラミッドの謎』(1985年)のような“うっかり観たら意外と怖い”スリラー要素を取り込むことにも概ね成功している。舞台がニューヨークからド田舎の町になったことで、終盤~クライマックスの緊張感も少々長閑な雰囲気になってしまった感はあるが、かつてのゴーストバスターズのメンバーの孫たちが恐ろしい計画に気づき、祖父の遺志を継いで活躍……という設定が感動の大団円につながる物語の舞台としては最適だったのかもしれない。

『ゴーストバスターズ/アフターライフ』

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『GB』ファンならば『2016年版』を避けて通るべからず

しかし本作を観る上で、絶対に避けて通れないのが2016年版の『ゴーストバスターズ』だ。シリアス演技もできる爆笑王メリッサ・マッカーシーを主演に、人気コント番組『サタデー・ナイト・ライブ』(1975年~)の有名キャストが集結しオリジナルを換骨奪胎した『GB2016』は、何度観ても最高に笑えるホラコメである。例えば『GB』コスプレを嗜んでいるようなファンが、自分たちの姿と重ね合わせて楽しめるところも素晴らしかった。問題があるとしたら、キャスト個々の面白さが過ぎて『ゴーストバスターズ』の枠には収まりきっていないところくらいだろうか。

そもそもオリジナル2作とは『サタデー・ナイト・ライブ』キャスト大集合という大きな共通点があったし、当然ながら旧キャストのカメオ出演もある。しかも最高のタイミングでオジー・オズボーンが無駄に出てきたりするので、もはや笑わない人がいるのだろうかという面白さだ。中でもマッカーシーとケイト・マッキノンは台本とアドリブの境目がわからないほどの自由っぷりで、まるで『サタデー・ナイト・ライブ』お馴染みの破綻寸前コントを観ているようなギリギリの楽しさもあった。

『ゴーストバスターズ/アフターライフ』

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『アフターライフ』と『GB2016』はジャンルの毛色が少し異なるというだけで、どちらも『ゴーストバスターズ』の遺伝子を受け継いだ『ゴーストバスターズ』映画であることは間違いない。前者はたしかに遺伝子直系と言えるが、どちらがオリジナルのトーンに近いかといえば、実は後者のほうだったりもする。

今回の『アフターライフ』には前2作のオマージュも盛りだくさんなのだが、それがネタバレにつながってしまったりするので、そこはぜひ劇場で確認しよう。汚しの入った<エクト1>などの商品展開にも期待!

『ゴーストバスターズ/アフターライフ』

『ゴーストバスターズ/アフターライフ』は2022年2月4日(金)より全国公開

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