きちんと結べるなら「紐のスパイクの方が良い」
野球は他のスポーツと比べて揃えるべき用具が多い。種類も豊富で、少年野球を始める親子は戸惑ってしまうだろう。スパイクも各メーカーがいくつもの種類を発売し、どれが自分に適しているのか判断が難しい。野球少年少女の悩みに毎日応えている野球用品専門店「ベースマン」立川の店長は、スパイク選びで2つのポイントを挙げている。
おしゃれは足元からというが、少年野球もけがを防ぐためにスパイク選びは大切だ。野球用品専門店「ベースマン」立川店の星徹弥店長は「紐を結べるかどうか」を最初のポイントに挙げた。
少年野球のスパイクには、紐とマジックテープの2種類がある。星店長は「足が固定されるので、きちんと結べるなら紐のスパイクの方が良い」と話す。ただ、小学校低学年の児童の大半はきつく紐を結べないため、多くのメーカーは23センチまでマジックテープのスパイクを発売している。
マジックテープのメリットは履きやすさと脱ぎやすさにある。ただ、紐のスパイクに変えても脱着の簡便さを優先する子どもがいるという。星店長は「時々、スパイクの紐を結んだ状態で足を入れている子どもを見かけます。野球だけに限りませんが、履きやすさや脱ぎやすさで競技用の靴を選ぶのは危険です。靴の中で足がぶれると、けがにつながる恐れがあります」と注意を促す。
素材はエナメルと人工皮革の2種類、それぞれのメリットは?
少年野球や高校野球では移動を急かされて、早く靴を脱ぎ履きできるようにしている選手がいる。マジックテープでも紐でも、スパイクをしっかり履いてから動き出すようにする意識の徹底が必要だろう。
もう1つのポイントが素材。スパイクには主に、エナメルと人工皮革の2種類がある。エナメルは伸びづらく破れづらいメリットがある。汚れも落ちやすい。一方、人工皮革は足に触れる感覚が柔らかく動きやすい。
エナメルよりスパイクを履く負担を感じないが耐久性は劣る。メーカーの中には、履き心地と動きやすさを追求し、革を縫い合わせずに1枚の革でつくったスパイクもある。
同じサイズでも製造したメーカーで微妙に大きさが異なる。幅が広いタイプもあるので、スパイクを選ぶ際には実際に履いてみるのがおすすめ。エナメルか人工皮革かの好みも選手によって違う。すぐに足が大きくなる小学生は半年ほどでサイズは変わるが、先を見越して大きめのサイズを選ぶと思わぬ怪我につながるリスクがある。(間淳 / Jun Aida)
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