タクマ(東証1部)の子会社で複合型リサイクル施設を手掛けていたカンポリサイクルプラザ(株)[京都]が特別清算開始決定

※画像は実際の企業と関係はありません

 カンポリサイクルプラザ(株)(TSR企業コード:641524145、法人番号:4130001034872、南丹市園部町高屋西谷1、設立1999(平成11)年4月、資本金4億円、代表清算人:牧野誠司弁護士)は1月21日、京都地裁園部支部より特別清算開始決定を受けた。
 負債総額は約79億円で、債権者は親会社の(株)タクマ(TSR企業コード:570111021、法人番号:4140001053517、兵庫県尼崎市、東証1部)のみ。

 プラントメーカーのタクマと、地元を中心に産業廃棄物収集運搬・処理を手掛ける(株)カンポ(TSR企業コード:641109490、法人番号:5130001014163、京都市伏見区)が50%ずつを出資して設立。一般廃棄物や産業廃棄物など数多くの廃棄物の処理・リサイクルを手掛けていた。
 当社の複合型リサイクル施設は、廃棄物の処理・再生のみならず、その過程で生じる熱エネルギーも活用する次世代型の総合リサイクルプラントとして知られ、本社敷地内にサーマルリサイクル施設のほか、バイオリサイクル施設、廃家電リサイクル施設などを備えていた。近隣の自治体のほか大手企業などから廃棄物の処理を受注し、2005年3月期には売上高15億4331万円を計上していた。
 しかし、2006年11月に一部の焼却炉にて基準値を上回るダイオキシン類が検出され、一時稼働を停止。2008年3月期には売上高が約5億円に減少し、約13億3400万円の赤字となり債務超過に陥った。2008年秋頃には再稼働し、同時期にはタクマが当社株式の80%を保有し体制強化に努めていたが、その後も赤字計上が続いていた。
 業績回復が遅れるなか、リサイクルプラントの老朽化も重なり、設備を刷新するためには莫大な費用が必要となることから、2019年3月末をもって廃棄物の受け入れを取りやめ、事業を停止。以降は施設の撤去などを進め、2021年10月28日開催の株主総会の決議により解散していた。
 なお、タクマは「カンポリサイクルプラザへの債権については過年度に会計処理済みで、2022年3月期の連結・個別業績に与える重要な影響はない」と発表している。

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