【新型コロナ】大阪市、13000件弱もの感染者情報の登録遅れ 感染者数発表に影響

 大阪市の松井一郎市長は3日、1月下旬から2月下旬にかけ、把握した感染者の情報を国のシステムに登録する作業が遅れ、未集計分が1万2700人分あったことを公表した。3日に半数以上を登録したがまだ未登録分が残っており、解消には6日までかかる見通しだという。

1日3000人分程度登録漏れ

 この日の記者会見で松井市長は、感染者急増のため処理が追いつかず大量の感染者情報が国のシステムに登録されていないことを明らかにした。

 感染症法では指定感染症に感染した人ごとに「発生届」を保健所に提出し、保健所が国に報告することになっているが、現在は同様の情報を国が昨年整備したシステム「HER-SYS」に登録する運用になっている。技術的には医療機関が直接入力できるようになっており、そのぶん保健所の負担が削減される見込みだったが、松井市長によるとシステムに入力せずファックスで「発生届」を送付する医療機関がまだ多いという。そのためファックスから「HER-SYS」に入力する作業負担が増大し、追いつかなくなっていると明かした。また同時に、「HER-SYS」にも一時的に不具合が発生し入力できない時間帯があったことも影響したと述べた(不具合については厚生労働省が先月公表している)。

 松井市長によると、重症化リスクの高い感染者については入力順とは関係なく把握し個別対応を行なっており、問題は出ていないとしている。現在入力作業の人員を増やし対応中で、6日には解消できるよう作業を進めている。

大阪府の発表数にも影響 この日7625人後追い登録

 大阪府は3日、この日の新規感染者数を1万1990人と発表した。また、大阪市内の感染者情報の登録遅れの影響で、この日に後追いで登録された感染者数も7625人と公表。それにともない、1月29日から2月2日まで発表した新規感染者数の数も以下のように訂正した。

1月29日‥10861人(追加訂正分\+511人)
1月30日‥9765人(追加訂正分+632人)
1月31日‥8288人(追加訂正分+2046人)
2月1日‥13776人(追加訂正分+1895人)
2月2日‥13712人(追加訂正分+2541人)

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