JR西日本 大糸線存続へ議論 3月予定 沿線自治体で部会設置

 JR西日本は3日、大糸線の南小谷(長野県小谷村)―糸魚川(糸魚川市)間(35キロ)について、沿線自治体と路線存続を含めた議論を始めることを明らかにした。3月にも沿線自治体で組織する会議に部会を設け、議論を始める予定。結論の時期は未定。

 大糸線は松本(長野県松本市)と糸魚川市を結ぶ105キロの鉄道路線で、JR西が糸魚川―南小谷間、JR東が南小谷―松本間で運行している。沿線は人口減少や高齢化に加え、並行する国道などの道路網が発達。JR西によると糸魚川―松本間は、ピークだった1992年度には1282だった輸送密度(1日1キロ当たりの平均乗客数)が、2019年度は102まで落ち込んだ。20年度はコロナ禍で利用減少に拍車がかかり、50まで下がった。

糸魚川駅ホームから南小谷に向かう大糸線列車

◇持続可能な路線へ方策見いだしたい

 同社はすでに沿線自治体への説明を済ませており、1965年に設置された「大糸線利用促進輸送強化期成同盟会」に「振興部会」を新設し議論、JR西が情報などを提供する。同社金沢支社の漆原健支社長は「地域の皆様のご意見を踏まえながら、地域の未来に資する持続可能な路線としての方策を見いだしてまいりたい」とコメントを出した。

 糸魚川市の米田徹市長はJR西の発表を受け「新たに設置される振興部会に参画し、新潟・長野両県、沿線関係者とともに持続可能な路線となるよう取り組んでいく」とコメントを出した。

 県内の鉄道関係者は「こうした場合、解決策として挙がるのは(1)自治体の補助金による運行継続(2)第三セクター化(3)バスへの転換を含む廃線、の三つだ。バスへの転換は学校や病院へのアクセスが良くなるため、利便性の向上が考えられる」としている。

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