神戸牛100%のハンバーガー、原価で食べられるってホント? 調理専門校の学生らが“GENKAI”に挑戦【にっぽん食べ歩き】

「神戸牛“GENKAI”チーズバーガー」とポテト

 神戸牛100%のハンバーガーの原価での販売を調理専門校「レコールバンタン」(東京都目黒区)が始めた。実習の一環で、レシピ作成、調理、店舗の運営など全工程を学生がこなしている。(共同通信=中村彰)

 校内にオープンした店の名前は「GENKAI BURGER」。ハンバーガーのメニューは「神戸牛“GENKAI”チーズバーガー」1点のみ。材料の原価が981円のところ990円で販売する。

 パティは赤身と脂肪のバランスに優れた神戸牛。これだけで原価は300円になる。

 バンズは多くの人気ハンバーガーショップが採用している峰屋(東京都新宿区)の製品。天然酵母で発酵させているので、ほのかな酸味が肉のうま味を引き立てる。こちらの原価は82円だ。

 加えて香り豊かなチベット産黒トリュフ(原価285円)、濃い黄身が特長の「いちえん農場」(高知県四万十市)の土佐ジロー卵(同101円)など希少な食材を使用。「いのちの郷」(茨城県土浦市)のつくばレンコン、「TC浜田農場」(島根県浜田市)の桃太郎トマトなど全国からよりすぐった食材が彩りを添える。

 石板に載せられたハンバーガーはボリューム満点。パティからは、かむほどにうま味があふれ、チーズ、卵とのバランスは抜群。赤ワインと国産キノコのソースと野菜が味にアクセントを付け、トリュフの香りが鼻をくすぐる。

「GENKAI BURGER」の開店を発表する(右から)鳥羽周作シェフ、学生の安原亜実さん、同坂野佑真さん、細井信宏「レコールバンタン」ブランドマネージャー=東京都目黒区の「レコールバンタン」

 指導に当たったのはミシュランガイドの星を獲得したレストラン「sio」(東京都渋谷区)の鳥羽周作シェフ。「おいしいものを作る技術だけでなく、どういう商品をいくらで売るのかというマネタイズの方法も伝えたくて即断即決で引き受けた。新しい食を担う若者に、シェフでなくてはできない実践の場を提供することに価値がある」と話していた。

 運営に携わる学生の安原亜実さんは「いろいろな人に自分の料理を食べてもらい、たくさんの人を笑顔にできたら」と夢を語る。坂野佑真さんは「お客さまに喜んでいただけたら」と抱負を話していた。

 ハンバーガーを包むバーガー袋には学生の夢や思いなど生の声を印刷。商品にはカードを添え、ハンバーガーの感想や未来のシェフへの激励メッセージを募っている。

 店舗を運営する学生の夢や抱負を印刷したバーガー袋

 サイドメニューにポテト(110円)、ドリンクはオリジナルのクラフトコーラ(150円)、クラフトレモネード(同)などがある。

 営業は3月27日までの土、日曜日の午前11時から午後5時(2月12日は休業)。

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